第175話 昼食
「ひとまず今日は俺が作るからみんなは休むなり話すなりしといてくれ」
俺は言ってからキッチンの元へ。
なぜかその後ろにはあいちゃん。ついてきたみたいだ。
「あいちゃんも2人とお話ししておいで。2人とも優しいから緊張しなくても大丈夫だよ」
俺はあいちゃんの背中を軽く押してあげる。
今後のことを考えるなら、1日でも早く仲良くなっておいた方がいい。
あいちゃんは悲しそうにこっちを見ているが仕方がない。
俺はキッチンへ消える。
白雪さんは一ノ瀬と話している。
一ノ瀬は白雪さんのことを嫌っているのかと思っていたけど、そうではないのかもしれない。
そして、真昼は1人のあいちゃんの前に立った。
「あいちゃんだったかな?よろしくね。私は真昼ね。あいちゃん、遊ぼっか」
優しくあいちゃんに話す真昼。
あいちゃんはまだちょっと怖がっているように見えるが時間の問題だろう。どうせすぐに仲良くなるだろ。
俺はその様子を見守ってから料理を始めた。
料理をしていたらみんなが楽しく話している声が聞こえる。その声にはあいちゃんの笑い声も含まれており、仲良くなったことが伺えた。早いな!
ひとまず安心だな。
俺は飯を作り終えてテーブルに運ぶ。
そこで気づいた。
「新しいテーブル買った方が良さそうだな……」
そこまで大きくない丸テーブルに5人が囲むとなるとやや窮屈なのかもしれない。
「そうだね……。それならご飯食べたら買いに行こうよ」
真昼がすかさず提案する。
「そうだねー。いいと思うよ。さんせーい」
その提案に一ノ瀬が賛同する。
この2人が決めてしまっては多数決でも権力の差でも決定である。
「あいも行きたい!」
これにはびっくりした。人見知りのあいちゃんが手をあげて言う。これを見れば2人と仲良くなったことが確定した。
俺は軽く視線を白雪さんの方に向けると、白雪さんは小さくお辞儀をする。
「よし、それじゃあ飯食ったら行くか」
白雪さんだけ仲間外れっぽくなってしまったがこればかりは仕方がない。
「「「「「いただきます」」」」」
いつもからさらに2人増えて、俺たちの昼食は大変賑やかなものになった。
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