第103話 学校
準備も終わり、3人での登校。やはり周りからの視線が痛い。でも、はじめての時よりかは少しは慣れた。
しかし、俺は昨日真昼に告白をされた。もし、学校でこのことがバレてしまった場合、俺はどう対応したらいいのだろうか。結局のところは振ったみたいな感じだし、それを学校中の男子諸君に言ってみたとしよう。俺は間違いなく10分後には息をしていないだろう。
バレないことを祈るだけだな。
真昼が学校で変なアプローチとかしてこなければいいけど……。
学校に着くと、俺はすぐに席に着く。特に話す友達とかもいないしな。
そこに歩み寄ってきたのは、俺の唯一の友の郷田だ。
「おはよ。昨日は平和だったか?なんて、聞かなくてもなんとなく分かるか。昨日は寝れたのか?」
「いろんな意味で寝れなかった」
「お、それはなんか気になる言い方だなあ。俺にだけ話してくれよー」
なんか俺に体を擦り付けておねだりしてくる。
これが女なら気分が良くなるが、男の場合『きもい』という感情しか出てこなかった。
「絶対の絶対に他言しないと約束できるか?」
そう言うと、郷田は大きく頷いた。少しは信じてみようかな、はじめてできた親友を。
「ここでは言いにくいことだから、昼にな」
郷田は「おう」と返事をした。そして、その後も普通に話す。やっぱり友達っていいものだな……。
そんな時、1人の少女が登校してきた。
そして、その少女は俺を見つけると、一直線に向かってきた。
「けーちゃんおはよー」
「け、けーちゃん?」
『けーちゃん』という呼び方に郷田は反応した。まぁ、後で話すからもう少し待っててくれ。
「お、おはよ」
「昨日どうしてライン送ったのに見てくれなかったの?」
「えっ、ライン?そんなのきてたか?」
俺はスマホを取り出す。すると、ラインのアプリには一つの通知があるマークがあった。
でも、なぜだろう……。俺は通知オフにしたりしてないし、多分スマホを触る時にロック画面の段階で通知が来てたら気づいてるはずなんだけどな……。
あ、あいつらか……。
繋がった。昨日真昼が突然村瀬と「一緒に寝てた」なんて言っていたのは、このラインを見たからなのか……。
「悪い、気づかなかった。これからは気づかないなんてことないようにするからさ」
「まぁ、それなら仕方ないか。また家きてね」
「お、おう、もちろんだ。また荷物も取りに行かなくちゃいけないしな」
このことなら郷田も知ってるから隠す必要もないな。俺は周りを見渡した。しかし、郷田の姿は見当たらない。ドア付近で郷田は手を合わせて何かを表している……。謝ってる?なんで?
忍び寄る足音……。
「村瀬さん、勝手に京くんに絡まないでくれる」
そこには、真昼様がいました。
落ち着いたと思っていた自分がバカみたいだ……。
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