第101話 やばい……、寝れない……。

「ちょっと遊びすぎたな。まだ10時ぐらいだし、寝るまで勉強するか?」


1時間もトランプに使ってしまったと気づき、真昼に言った。


「そうだね……。それじゃあ勉強教えてね」


「それはいいけど、もう教えるようなことはないと思うぞ。正直、このままいけば絶対70点ぐらいは取れるんじゃないか?」


「まだまだ全然だよ。それに、村瀬さんも京くんに数学教えてもらってるんでしょ?それなら、絶対に負けられないしね」


なぜ村瀬と張り合うのかはよく分からないが、まぁ、やる気になってくれるのなら問題ないか。


「ってか、数学とか理科はある程度取れるとして、他の教科は勉強してるのか?俺の見る限り、数学か理科以外勉強してるとこ見たことないけど」


そう。俺は少し疑問に思っていた。こいつ、もしかして数学と理科以外全く勉強していないんじゃないか?と。


「ま、まぁ、それなりに……、それなりにはね」


あ、こいつ何にもやってないな。完全に目が泳ぎまくってる。


「これからは、数学と理科の勉強はするな。国、英、社の教科をある程度勉強するまでは。ってか、提出物とかは終わったのか?」


「いやー、明日からしようと……」


「はやくやれ」


俺は真昼の頭を軽くチョップする。


真昼は「はーい」と少し不機嫌そうに言ってリュックをあさり出した。そして、英語のワークを取り出した。ようやく理系科目以外もやる気になったか。いや、強制的にやらせたという方が正しいか。


俺も文系科目の勉強をする。ここだけの話、文系科目を本気で勉強したのはこの期末テストが初めてだ。中学の頃から軽く見る程度だったが、今回はちょっと本気を出してみようかなと思った。


2人で時々雑談もしながらしっかりと勉強した。


2時間ほど勉強して今は12時。もう次の日になっていた。流石にやりすぎも良くないので、寝ることにしよう。


「そろそろ寝るか」


すると、真昼は一気にテンションが上がって「うん!」と返事をした。


そして、俺たちは一つのベッドに入り込んだ。そして、電気を消す。


やばい……。めちゃくちゃ緊張する……。ってか、まったく寝れる気がしない。真昼の呼吸音を聞くだけで変な想像をしてしまう。


真昼や村瀬などとは一緒に寝たことはあるが、実際にはじめから一緒だったわけではない。


真昼と一ノ瀬に関しては、雷が怖くて夜に入ってきてたし、村瀬は確実に事故だし……。


やばい……、寝れない……。


隣を見ると……、そこには普通に寝ている真昼の姿が。なんか、一気に気が抜けた……。


俺は静かに目を閉じた。


やばい……、寝れない……。


結局、この後2、3時間は起きていた。そして、知らぬ間に意識は無くなっていた。

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