第89話 事件

「………………」


俺は突然のことだったため、目を逸らすことが出来ず、思いっきりガン見してしまう。


しかし、目の前の光景は、想像とは違ったものだった。


目の前にはビキニを付けた村瀬がいた。


何故だろう……。裸になる村瀬を想像していた自分がいた。


でも、普通そこは全裸なんじゃないですかー?


くそっ!俺はこんな自分を殴りたい。


「どうしたのけーちゃん?もしかして……、私が全裸になるとでも思ってたー?まぁ、けーちゃんになら別にいいけど……どうする?脱ごうか?」


はい!脱いでください!


俺は思いっきり自分の頬をビンタし、目を覚めさせる。


「ど、どうしたの?!」


俺の突然のビンタに驚いた村瀬は慌てて声をかけてきた。


「俺がお前に興奮してたから」なんてるわけもない。


「何にもねーよ。さっさと出てけよ。からかいやがって」


「ふへへー、わかったよー。でも、ここ私の家だから、ここにいても問題ないしー」


なにやらぶつぶつと呟いているが、俺には聞こえなかった。村瀬も出ようとしてるし、これで一件落着だな。


「それじゃあね。ばいばーっ!」


俺が安心したところで、新たな事件発生。村瀬は地面に滑って、そのまま俺の方向へと倒れてきた。


俺はとっさに村瀬を支えようとするが、倒れてきた村瀬を受け止めたあと、俺も同じように滑らせて床に体をぶつけてしまった。


「いってー。大丈夫か?って……」


なにやら、右手に違和感が。


なんだかぷにぷにしたのが俺の右手に。


俺はゆっくりと視線を向けると、まぁ、予想はできてたけど。


俺の右手が、しっかりと村瀬のおっぱいをわしづかみしていた。


あれなんだろう……。突然頭がくらくらするなー。


「だ、大丈夫?けーちゃん?」


誰かが俺を呼んでいる気がする。でも、全く目が開かない。


なんだろう……。俺、天国に行けるかな……?



俺が目を開けると、初めて見る景色だ。


もしかして、転生した?とも考えてみたが、どうやらそうではないらしい。


視線を横に向けると、そこには村瀬の姿が。


なるほど。俺は気絶していて、村瀬がここまで運んできてくれて、俺を寝かせてくれたのか。ちゃんとパジャマも着てるし……。


「うわあああああああああああああああ!」


「なに?!」


俺は村瀬にパジャマを着させられた……?それなら、もちろん俺の聖剣を見られた……ってことだよな?


やばいやばいやばいやばいやばいやばい……。


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