第77話 好きな人ができました。

こんな感情はいつぶりだろうか。


久しぶりに言われた。


『俺はどんなことがあっても愛月のことを見放したりなんてしない』 『もっと頼りにしていいんだ』


この言葉を聞いたとき、胸が熱くなった。


なぜなんだろうか。



私は親に見放されている。


父親はずっと海外出張。母親はなんの仕事をしてるのかもわからなくて、週に一度会えるかどうかだ。


私はずっと孤独だった。そのため、今ではギャルになって、少しは見てもらおうと努力した。しかし、見向きすらされなかった。


私はそんな両親がとても憎かった。


そして、その後もギャルとして過ごしていたんだ。


でも、友達はいい奴らで、毎日毎日いろんなことして遊びまくっている。


あくまで友達、仲の良い友達、大好きな友達……。


でも、森木っちだけは違う。


体育祭のときに、初めて私たちは話しただろう。


それで、森木っちは私たちのパシリになった。


普通のパシリなら嫌だと思っているはずだ。


でも、でも森木っちは違う。


たしかに嫌だとは思ってるかもしれないけど、もっと頼りにしてくれても良いと言ってくれた。


両親から見放された私にとって、一番かけられて嬉しい言葉。


それをこの目の前にいる森木 京という1人の男が言ってくれたのだ。


きっと、この感情は『恋』なんだろう。


うん。きっとそうだ。そう思ったら、体育祭のときに出会ったことも『運命』とも言える。


私は森木っちが好き……。


なんだろう……。改めて思うと、大好きな人を家にあげてるんだよ?!とっても恥ずかしくなってきた。


私は顔全体が熱くなってきた。


しかも、森木っちと目があってることに気づき、つい目をそらしてしまった。


やばい……。森木っちのことを直視できない。


恐ろしいな、恋って……。


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