第46話 体育祭開幕
翌朝、目が覚めた俺はなぜかシャキッとしている。
よほどこの体育祭が楽しみだったのだろう。
起きて、俺は朝食を食べる。
yチューブでも見ようと思い、スマホを手に取る。
そして、画面に触れるとロック画面が出てくる。
すると、俺のスマホにはラインの通知が来ていた。
その相手は一ノ瀬だった。
俺はそのラインを確認してから、朝食をとった。
そして、体操服に着替えて、準備をし終えたところで、部屋から出る。そして、隣人の元へ。
最後の登校……、特にこれといったことはなかった。
いつも通りの沈黙だ。
そして、学校へ。
今日は特に朝練というわけではないので、普通の時間に行った。だから、人がいっぱいだ。
今日は体育祭なのでいちいち教室には行かず、グランドの自分のクラスの場所へ向かう。
行くと、もうクラスの半分以上は来ていた。
クラスの生徒たちは友達と話しなどをしているだろうが、俺にはそんなことをする友達がいない。
よって、1人でぼーっとしている。
そして、開会式の約10分前になった時、担任の五条先生がこっちに来た。
「みんなおはよう」
先生はまずは挨拶をした。
クラスの生徒は挨拶を返す。
先生はそのまま話を続けた。
「これ、今日のハチマキな。俺たちのクラスのハチマキは赤色だから、これ開会式までにクラスのメンバーで配っといてくれ」
そう言って、先生は一ノ瀬にハチマキの束を渡す。
一ノ瀬は嫌な顔一つせずその束を受け取る。
束を渡し終えた先生は、再びどこかえ帰っていった。本部かどこかだろう。
一ノ瀬は、クラスのみんなに一本ずつハチマキを渡していく。
もちろん俺にも。
「京くん、今日は頑張ろうね!リレーでカッコ悪かったら罰ゲームね」
「まじかよ……、まぁ、頑張るよ」
俺は渡されたハチマキを受け取る。
ほんと可愛い……。
一ノ瀬はさっとみんなにハチマキを配っていく。
みんなはそのハチマキを頭に巻く。
この学校の体育祭は、赤団、黄団、青団の3チームに分かれて戦う。
俺たち三組は、赤団に所属する。
なので、赤色のハチマキだ。
開会式の始まる直前ということもあり、生徒たちはハチマキを巻き、静かにしている。
そして、やっとの事で開会式が5分後に始まるとアナウンスがあった。
生徒たちはグランドの中心に向かう。
そして、集まり終え、ある程度静かになったので、開会式が始まった。
この学校の教頭先生がマイクを持つ。
「開会の挨拶!生徒会長は前へ!」
その号令の後、この学校の生徒会長が朝礼台に上がった。
そして、開会式の挨拶をする。
生徒会長のきちんとした姿勢、しっかりとした文章で、開会式の挨拶をした。
「次は、校長先生のお話です」
はい、きました。無駄に長い校長先生のお話ですわ。
正直言って、この話をまじめに聞いてる人なんているんですか?俺には聞いてもメリットがあるとは思えないんですけど。
そういう考えの俺は、ぼーっと過ごす。
その時だった。おそらく同じ考えだった近くの生徒たちがおしゃべりをしている。
俺も暇なのでその話に耳を傾ける。
その話の内容は、なんと、この体育祭の噂についてだった。
「なあなあ、体育祭の噂知ってるか?」
「ん?いや、しらん」
「この体育祭の噂なんだけど……、この体育祭の閉会式後に、男女でハチマキを交換すると、その2人は永遠に結ばれるんだって」
「どうせそんな話ガセネタだろ?俺はそんなこと信じねーぞ」
どうやら、この2人の1人は俺と同じ考えの持ち主だった。
「いや、それがさ、本当に結ばれたって話がめっちゃあるらしいんだよね。気になるだろ?俺、一ノ瀬さんにハチマキ交換の申し込みしてみようかな……」
なに!まさか、本当にそんなことがあるのか?!
でも、本当にあったことがあるなら、俺も一ノ瀬に機会があれば……な。
それに、こいつは俺のライバルじゃねーか!
負けねーぞ!
そんなことお考えてる間に、校長の話も終わって、選手宣誓が始まっていた。
各団の団長が前に出て、頑張っている。
俺たちはそれを見ている。
そして、選手宣誓の後は準備体操などをした。
「これにて、開会式を終了します」
いつもはめっちゃ長く感じていた開会式だったが、今回はなんか知らぬ間に開会式が終わっていた。
開会式が終わったので、生徒たちは再び自分のクラスの場所まで戻る。
「第一種目の50メートル走に出場する選手は入場門に集まってください」
とうとう始まった。
この体育祭では少しはいい成績を残せるように頑張るぞー!
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