一億三千人のための小説教室/高橋源一郎

小説家が書いた小説指南書を読むと、作家が小説とどう向き合っているのかよく解り面白い。本書の「小説とは何か」と問い続ける辺り保坂和志氏の論に通じる所があり、「世界をいままでとはまったくちがったように見る」は、大江健三郎氏の言う「異化」に通じる所があるように思う。「物事をちがった角度から見て、いかに新しい物を小説に持ち込むか」って辺りが小説を書く上でのキモ……なんですかねぇ。小学生のための小説教室をもとにまとめた書だそうで、とても解りやすい説明。大江氏の「小説の方法」の後に読んだから、余計にそう感じるのかも。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る