第2話 品行方正タトゥー

本職がタトゥー師 A

ぽん引きまがいの仕事している方方を Bとして

台本の一例を考案しました。



品行方正タトゥー

B 「なあAさん、タトゥー師は儲かるか」

A 「儲かったら、おまえみたいなトンマとコンビを解消するわ」

B 「よう言うな。あんたタトゥー師をまっとうな仕事と思っているのか」

A しばらく思案

B はら、みいや。胸を張って自慢できない仕事や。この前、大阪市長の橋下さんも公務員のタトゥーに対して模範的でないと言っていたさかいな

A なんや、その言い方は

  あんたは自分の仕事に誇りをもっていますか。

  ぽん引きのくせに。(Aはしょげる)

  ワシは、ぽん引きまがいに客を連れて来て、タトゥーをしたことは一度ない。

  お客さんから、彫って欲しいと頼まれるから、彫っているだけや。


  客席を意識して、Aは声を上げる。

  なあ、この男、おかしいやろ。

  どうや、みんなはどうや。

  自動車会社はどうや、あんたが車を造り売るから交通事故は増え、公害はふえるんや。

  保険会社はどうや。あんたのような者がおるさい、保険金詐欺事件が起きるんや。

  石油会社、あんたがおるさい。地球の資源がかったんするんや。

  電力会社、あんたみたいなものがおるさかい、原発事故が起きて日本は大変なことになるんや。

  化粧品会社はどうや、むやみやたらに巨乳女を作る整形外科はどうや

  耳に穴を開けるピアス師はどうや。

  人の仕事にけちをつけるな。

  タトゥー師など、あんたらの悪行に比べたら、とてもかなわんかなわん。

  法律違反したことはない。

B 悲惨な開きなおりやね。

  みんな欲しがる人がいるから成立する

A 世の真実や

  タトゥーやも同じや。

  言っておくが、ワシは一度もタトゥーをせんかとぽんびきまがいのことをしたことはない。

  タトゥーは魔物が人間を護る力がある。だから、わしの故郷では昔、女が大人になる時、手にタトゥーをした。

  事実や。飯を食うためには仕事をせねばならん。金を稼がねばならん。わしがタトゥー師を止めても、希望する客が出てきたら、すぐに別の者が仕事を始める。それもワシほどの腕はたたん。

B 偉い 開きようやね。少しは罪は意識はないか。

A それはある。親からもらった他人様の身体に絵を彫るんやさかい。一所懸命、美しいを絵が彫らせて頂く。

B あんた少しは社会貢献をする気はあるか。

  今はしようがない。だが将来はどうだ。

A ある

B あのいたいけな子どもが大きくなって、あんたの元にタトゥーを彫れと頼みにきたらどうする。

A なあ、ぼうや。とっても痛いぞ。おまけに風呂にも行けん。負い目を生涯背負わねばならぬかも知れぬ。せっかく親からもらった身体にタトゥーを入れるのは止めた方がいい。

 それでもと言うなら、よっぽどの事情があってのことだろう。

 ワシが手伝ってやる。

 ワシが自慢の腕で品行方正タトゥーを彫ってやる。

 納税、親孝行、墓参り

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