とある場所で編集をしていた。

食パンジャンキー

第1話 編集になったきっかけ

私がとある場所で、「編集」という職業に就いたのは本当に偶然だった。


それまでの私は、とある会社のとある「営業職」で、転勤を3回経験し、ネギが有名なかの県にいた。


文字通り、会社から支給された車に乗り、決まった数字を追いかける日々のあの職業。


出会い頭に、お尻を揉まれるなんて挨拶!くらいの男性社会だった。


だからだろうか……。


その頃ハマっていたのは、いわゆる「乙女ゲーム」で、もともと夢女子傾向のあった自分は、とある王子様系のシリーズゲームで、運営メシウマの重度の廃課金者だった。


好きなキャラへの熱量を、ランキング順位とかたちのないポイントの貢ぎ具合ではかる容赦ない策略を知りつつ、テンプレのような流れでゲームにのめり込み。


月に二回設定されたイベントのランキングに載るため……何回、5000円のitunesカードを買いに夜中コンビニを目指したかわからない。



そんな生活を三年も続けていると、やはり人は飽きるもので、最後の一年近くは、お仲間(フレンド制度で繋がったゲームの中の人)への挨拶とデイリーガチャを引くだけの毎日だった。


もともと、ゲームに飽きたときは決まってyoutube、ピクシブ、なろうで時間を潰すような人間で、たまにお仲間に依頼された二次創作をアップしたりしていた。


二次しか書かない人間がいうのは烏滸がましいが、創作は素晴らしい。


私は常にそう思っていた。


何もないところに、物語を、無限の世界を創り出せる人=クリエイターを心底尊敬していた。



そんなある日、ゲームの中の友人からとあるwebサイトを紹介されたのだ。


「無料でマンガ読み放題のサービスがあるんだけど、ドロップちゃんやらない?」


これが全ての始まりだった。

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