怖い話①

564219

第1話

 俺は絶対に捕まらない・・・。


 「最近よく耳にしない?絶対に捕まらない殺人犯」


 「何それ?」


 そう、最近話題になっているのが有名な絶対に捕まらない殺人犯。殺し方は首の頸動脈を細い刃物で一発で切る。まさに手慣れた技・・・。たとえ道の真ん中にターゲットがいたとしても、一通りが多い街中でも誰にもばれずに一瞬で切り一瞬で自分がいたとい痕跡がわからないよう痕跡を残さずに立ち去ることができる。だから警察もいまだに犯人候補さえつかめてないほどだった。その犯人をまさか俺が見つけるとは・・・




 俺の名前は裕介。どこにでもいるようなサラリーマンだ。親友は大学の時に知り合った浩太という頭がとても良いやつだ。その日も俺は浩太と一緒に居酒屋で夜ご飯を食べていた。


 「そういやこの前もこの近くの横断歩道で女の子が殺されたって。あの殺人犯に。」


 

「まじか・・・。俺、その人に殺されたくないよ・・・。」


 「でも、聞いた話じゃ、誰かがその人を恨まない限りその人は殺されないらしいよ。」


 「そうなんだ。俺も気を付けないとな・・・。」


 でもまさか、浩太がその人に殺されることになるとは、そしてその人が俺の前に現れるとは・・・。


 「もしもし・・・。裕介。俺・・・もしかしたら、彼女に恨まれてるかも・・・。」


「実はさ・・・。俺、彼女の誕生日の日にプレゼント買ったんだよ。でさ、彼女の性格の問題もあってさ。もともと少しわがままなところあって。彼女が欲しいって言っていたネックレスじゃないもの買ってきちゃって。そしたら彼女怒っちゃって。」


 「そんなことで恨まれるか・・・?まあ、しばらく俺と一緒にいるか。」


 「それだと助かる!じゃー明日の午後3時に〇店の前で待ち合わせでよい。」


 「了解。」


 俺はこの時少しも思っていなかった。まさか、今日浩太が殺されることになるとは。しかも俺の目の前で。」


 待ち合わせの日・・・


 「もしもし、着いたよ!」


 「祐介早いな!俺もあと少しで着くから。」


 そういって、電話を切って10分後・・・


 「浩太!」


 「よっ!」


 そういって浩太は横断歩道を渡り切り目の前に着く直前で・・・  


 「祐介・・・うっ・・・。」


 そして浩太はその場に倒れた。


 「浩太・・・。浩太・・・。浩太ーーーーーー!」



 その瞬間俺は見た。浩太を殺した犯人を・・・。そしてそいつは俺に向かってこう言った。


 「君は僕を見てしまった。本当は僕は恨まれている人を殺すんだよ・・・。でも君は僕を見てしまった。だから殺さないとね。」


 その声を聴いた瞬間目の前が真っ暗になった。真っ暗になった瞬間、


 「ばいばい・・・、」


 こんなことなら守るなんて言わなければよかった。薄れゆく意識の中で俺はそう思った。














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

怖い話① 564219 @commnder

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る