第8話

【表現】『』は口に出さぬ言葉


 魔女は契約して自分の剣に成った少年から隷属の証〝首輪〟が欲しいと要求された。


 ゴブリンから脅えられている少年は他から抱かれる〝魔族の敵〟な要素を弱める方法として〝隷属〟している印を欲しがった。


 『少年を虜にして、母の傀儡に成った父のように』などと篭絡する事だけ、を考えていた魔女は契約後も脅え続けるゴブリンの様子から印の必要性を感じ、提案に乗った。


 魔族と円満な交流を行うために必要だから、と提案する少年を魅了したと思えない魔女は目的を果たした喜びより過程に対する不満が勝り満足できなかった。

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