第2話

 二人の英雄が試みた魔族まぞくの討伐は一人の犠牲を出した末に失敗した。


 愛する人を失った英雄の少女は深く悲しむ。


 少女を慰めた王子は恋を成就させる。


 悲しみから逃避する様に流された少女と愛の営み行う際中、現れた少年は犠牲となったもう一人の英雄だった。


 愛する人と失った悲しみから、逃避したい少女が行った行為は愛する人を裏切っていた。


 少女の言い訳に聞く耳を持たない少年の怒りに脅えた王子は言い訳すら出来なかった。


 部屋に入った兵士から逃走した少年を呆然と見送る王子は居なくなった恋人へ謝り続ける少女を慰める余裕など無かった。

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