クサい!怪人カメムシ男の必殺技

「パクパクパク、パクパクパク。お嬢さんを僕のフレグランスで満たしてあげよう」


緑色の怪人は女騎士に向かって歯の浮くようなセリフを吐いた。

一方、女騎士はしかめっ面をしている。


「クサいわ!あんたの匂いもセリフも!」

「何を?俺の華麗な匂いも甘い言葉もクサいだと?許さない、許さないぞ!」


怪人の手から葉のようなものが無数に生えてきた。


「くらえ!香しい薬草の舞パクチー・ストーム!」


無数の葉が女騎士に襲いかかる。いくつかの葉が女騎士の口に入ってしまった。


「ムッ!」

「どうだ、臭いだろ、苦いだろう」


怪人の口角が片方だけ上がる。


「お、おいしい」

「え?」


女騎士の笑顔に、怪人は目を丸くした。

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