最弱のチート能力者 セイヤ・カゼハヤの必殺技

俺の倍の大きさの虎。今すぐにも大きな牙の餌食になりそうだ。

空に浮かんだ単語の羅列の中から、俺は矢継ぎ早に単語を触る。


「ファイアボール!」

「アイスダガー!」

「トルネードアロー!」


火の玉、氷の刃、風の矢が虎に向かった。そして爆発。

爆発の煙が去った後に映るのは無傷の虎だった。


「うそ…… 全く効いてない」


俺の股の間から生暖かい液体が流れていくのを感じた。

周りは誰もいない。俺は残酷な運命を受け入れるしかないのか。


虎が大きな口を開けて、飛びかかってきた。


チュキャー!


俺は情けない声で叫んだ。


窮鼠猫噛絶叫!ファントム・バイブレーション


空が大きく震えた次の瞬間、虎が目の前で泡を吹いて倒れていた。

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