憤怒の魔女はどこまでも
縁の下 ワタル
プロローグ とある二人の祓魔師の話
これはとある二人の祓魔師(エクソシスト )の会話。
「バチカンから召集ですか、用件はなんなのでしょうね 」
「たぶん、本気で悪魔真教の幹部たちを潰す気になったんだろ? 」
「あー、そういうことですか。
あ、そういえば私も来ましたよっ!召集状っ! 」
「あ? お前も来たのか? 」
「はいっ! 」
「へー、頑張れよ、まあ、俺は頼むから、憤怒ってやつとは当たりたくないな 」
「なぜです? 」
「仲間がたくさん殺されてるからな、たぶん相当強いぞ」
「御言葉ですが、全員下位祓魔師ではないのでしょうか? 」
「中位祓魔師もいるに決まってんだろ、確かに最初は下位ばっか送ってんだが、ことごとく返り討ちにあってたみたいだからな」
「それで中位祓魔師を送っても、結果は惨敗ですか… 」
「やり口は確か、手紙を送って指定の場所まで誘き寄せて一気に叩くっていう汚ないやり方だったな」
「なぜ、アジトの中に入らないのですか? 」
「見つからないんだよ、黒い森(ツヴァルト)が複雑過ぎてな 」
「まあ…大丈夫ですよっ! 私たち上位祓魔師と中位祓魔師は段違いですからっ! 」
「そうやって、油断してると、アキレス腱を食われかねないぞ」
「うぅ 」
「まあ、でもし憤怒と戦うことになって倒したとしたら、大手柄だろ」
「なぜです? 」
「憤怒の魔女はどうやら人を救ってるって話だ。 そんなことされちゃ、うちの信者に対する信仰が揺らぎかねないっていう理由で危険視してるらしいぞ」
「『正しいこと』をしているはずなのに報われませんね 」
「ふん、魔女に同情なんかすんなよ、俺たちは敵なんだからな 」
「なぜ、人々を救っているのでしょうか? 」
「さあ、そんなもの俺が知るかよ 」
最後に俺と名乗る聖腕の使い手が言うことには、
「救済の魔女ね」
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