第46話 牧区移動

牛たちが、一度食べた草を短くなっても、もう一度食べている姿には、耐えられなかった。


今回は、畜産農協の預託牛を地元牧区に入れて良いということになったので、第三牧区を渡し、地元牧区へ移動させる。

第三牧区には、草が少ないから、草の多い地元牧区へ移動してくれるだろうという計画だ。

しかし、初めての牧区だから、来てくれるかな?と、多少の不安もあり、健康検査の後、牛を呼び30頭くらい連れて歩いて、地元牧区に向かっていると


遠くから「牧番さーん!」って畜産農協の人が声をかけてくる。


それで、もう、群れを成していた牛たちはバラバラになっていく。


おいおい、またかよ。


あいつらが帰るのを待ってた方が良かったのか。


だから、人間は上がって来て欲しくない。

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