人生の告白

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第1章 人生の告白

第1話 子供時代

僕は、ひとつ上のツヨシくんが目標だった。

僕らは団地に住んでいて、ツヨシくんは同じ棟に住んでいた。

一緒に幼稚園に通い、小学生になり、ツヨシくんが、柔道教室に入ると僕も柔道教室に入った。ツヨシくんが、絵画教室に入れば、僕も絵画教室に入った。


柔道教室では、喧嘩で柔道技を使うと除名になる。

僕の同級生は、それで除名になった。

その頃、「強者は弱者を守るもので、強いから守れるだよ」

と教えられた。その時の教えが50歳になった今でも僕の基本的な性格になっていると思う。


絵画教室は、ほとんど遊び行っている感覚だった。

しかし、スケッチ大会などに参加すると、いつも特選。先生の口添えがあったかも知れないが、清掃週間ポスターに応募したら、ポスターとして印刷された。その後、教科書の表紙になったらしい。

しかし、小学生の僕は、嬉しかったが、そんなことに興味はなかった。

絵画教室では、年に一度、大学生の女の先生が数ヶ月くらい来る。「大人のお姉さんが来る」僕らは、それが楽しみで堪らなかった。

普段、先生から「アトリエには、絶対入っては、いけない」と言われていたが、そう言われれば、入ってみたくなるもので、友達数人と忍びこんだ。

そこには100号くらいのキャンバスに女性のヌードが描かれていた。

小学生の僕たちは、いけないものを見てしまったと思う感覚と衝撃で固まってしまった。その時のことは、今も忘れない。


ウチのおやつは、パンの耳を揚げて砂糖をまぶしたものやお父さんとお母さんの田舎の実家からもらった「かきもち」あとは、氷砂糖。ぼくは、友達の家で、カルピスやクッキーを出されると相当嬉しかった。

下の階に、お姉さんが一人暮らしをしていた。僕は、恋心もあり、頻繁に遊びに行った。お姉さんが、「おやつ何を食べたい?」と聞いてくるので、「氷砂糖」と言うと

「そんなもので良いの?」と言われた。僕は、家で食べるもの以外、ほとんど思いつかなかった。

大人になって聞いたら、そのお姉さんは、ヤクザの女で夜になると男の人がやって来ていたらしい。

近所から嫌われていたので、僕が遊びに来るのが嬉しかったんだろうな。


小学四年生の頃、お父さんが家を建てた。

ウチは貧乏なんだと思っていたが、節約生活をしていたんだな。

そして、初めての引越し、友達と別れるのは悲しかったが、新しい家には、何の興味もなく、引越し当日も引越し祝いで友達からもらったプラモデルを作っていた。

学校は悲惨な状況で、スパルタ先生が、宿題宿題、ドリルドリル、テストテストの日々、前の学校より、だいぶん授業が進んでいたので、僕は、ポッカリ受けていない授業の期間がある。友達のお父さんが集合写真を見て、僕の事を「この子、頭良さそうだな」というと、友達は「バカだよ」と言ったらしい。

教わっていない授業の時期があるけど、子供は、そんなこと分からないので、バカ扱いする。

でも僕は負けなかった。幼稚園の頃から、小さい順に並ぶと一番後ろ、そして、僕には柔道があった。

喧嘩は、出来るだけ、やりたくなかったが、あまりしつこく売られると買ってあげた。しかし技を使わなくても喧嘩に負けたことはない。


5年生に上がると、飼育委員になる。

うさぎとニワトリと小鳥とカメ。

女の子たちは、皆、うさぎ担当になりたがるので、僕は、皆が嫌がるニワトリ担当になる。

ニワトリ担当は一番大変で、皆が祭りで買ったヒヨコが大きくなり飼えなくなったニワトリを飼育小屋に持ってくるので、十数羽。糞の掃除も大変。

生き物を扱っている飼育委員には、日曜日も夏休みも無い。餌やりや掃除で学校に通わなければいけない。しかし、動物たちは、皆、可愛く好きだった。


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