青麦と橙(ニ)

 くすんだ金色の藁ぶき屋根に包まれた家たちを見上げて、ウルリヒは視線を彷徨わせる。

 やがて、物見やぐらの上に、農作業に勤しむ人々を見下ろしている痩身の男を見つけた。ウルリヒは梯子をゆっくりと上った。ウルリヒの立てた足音に気づいて、青年は緩やかに振り返る。後ろで一つにまとめた、縄のような漆黒の三つ編みが、肩からずり落ちた。その勢いで、青年の首にかかる、花の色で染めた藁の首飾りがかさりと揺れた。

「やあ、なかなかに遅かったね。そんなに私の出した条件は難しいものだったかな」

 王は柱に背を預けくすりと笑う。

「そうですね」

 ウルリヒは目を伏せた。鞄の中から橙色の布袋を取り出して、結び目を解いた。中から出てきた色とりどりの貝殻の冠を見ると、王は目を見開き溜息を零した。

「やはり、貝殻はとても美しいね。だからあの娘も美しいんだろう。テルネラ、と言ったかな」

「そうですか?」

 ウルリヒは抑揚のない声で言った。

「あの見た目は、知らない者から見れば気味が悪いそうですよ」

「人間は、知らない者には得てして怯えるものだよ、ウルリヒ。神様の遣わした化身の様じゃないか。お前自身は、あの娘を気味が悪いと思っているの?」

「いえ」

 ウルリヒはまっすぐに王を見つめた。

「綺麗だと、思います」

 王はしばらく目を瞬いていた。

「ウルリヒ、今日はやけに素直だ。どうかしたかい」

「いえ」

 ウルリヒは目を伏せた。

「そう。別にいいけれどね。さあ、私が言った真珠の飾りを渡しなさい。私の花嫁の御髪みぐしに、夏夜の小麦畑のように暗く光るあの粒はよく似合うと思うんだ」

 王は柔らかく微笑んだ。ウルリヒは唇をそっと噛んだ。

「やっぱり、あなたはテルネラのあれが欲しかったんですね」

「そうだと書いたはずだよ。あれはおまえが保護し、私のおかげで生かされている化け物だろう。だったら言うことくらい聞かせられるはずだ。それとも、食われるのを恐れて言い出せなかったとでも言うのかい? 碧眼の子供が聞いて呆れるね」

 柔和に微笑みを湛えた王の目をウルリヒはまっすぐに見据えた。

「できませんでした。怖かったからじゃありません。あれはテルネラにとって、大切なものです。あれは彼女のつがいが――人間で言えば、伴侶が、彼女に残していった形見のような物です」

「化け物が人間らしさを唱えるなんて、至極ばからしいとは思わないの?」

 王は嘲るように笑った。

「少なくとも、私と初めて会ったころのお前ならそう考えたと思うがね」

「テルネラは人間です。彼女は、自分は貝の末裔だと言い張るけど、でもおれにとっては人間と変わりない。だとしたら、貝の末裔だって人間です」

「お前の大切な人たちを食った種族が? 頭がおかしくなったのかな?」

 王はすっと目を細めて、笑みを深めた。ウルリヒは頭を振る。

「食われたことは許せません。これからも許せないし、許してやる義理もない。でも、おれは、テルネラの帰る場所を作ってやらなければと思うんです。今までおれは、罪人を、罪人だからと言い訳をして、貝の末裔に生贄として渡してきた。でも、それはやめなければならないと思いました。話し合いが通じる相手じゃないかもしれない。もしかしたらおれは、食べられてしまうかもしれない。それでもおれは一度……貝の末裔をよく知る唯一の人間として、貝の末裔と話し合いたい。人間と、貝の末裔の懸け橋になりたい」

「無謀だなあ」

 王は首を傾けて、青く揺れる小麦畑を見つめた。

「もしもお前が食われたら、あの村はどうなる? 壊滅するかもしれないねえ。そうしたら、今度は私の国に被害が及ぶかもしれない。お前には生きてもらわなければ話にならない」

「王さま、今日はやけに弱みを見せますね」

「事実だからね。私は、父とはちがう。権力を振りかざしても同じことだよ。私は王と呼ばれてはいるが、この狭い小麦畑を治めているに過ぎない。少しだけ他のちっぽけな村よりも食糧に困らず、まともな家を持ち、生き永らえているというだけだ。お前が村人と一線を引くことで権威を保っているのと同じことだよ。私もまた、お前たちに供物を要求することで権威を保とうとしている。私のおかげでお前たちは生かされているのだと肌身に刻むためにな」

 王はにやりと笑った。

「あなたのおかげでおれたちが生きているのは事実です。あなたが生贄をくださらなかったら、おれたちは、ずっと貝の末裔に怯えていなければいけなかった。おれが燃やしてしまった森で、あなたが食べ物を恵んでくださらなかったら、おれたちは飢えて死んでいた。あなたが薬草をくださらなかったら、おれたちは流行病でもっとたくさん死んでいた」

 ウルリヒは目を閉じた。

「けれど、テルネラの黒真珠は捧げられません。おれはあれがどれだけ彼女にとって大事か知ってる。だから、奪いたくない。奪えません。それでも真珠が欲しいというなら、海の底に潜って塩水で痛んだ白い粒を拾って来るか、貝の末裔と直接交渉するしか手がない。それでもあなたは、真珠が欲しいですか」

 王はしばらく黙っていた。

「お前、何故そんなにあの貝の末裔の娘に肩入れするんだ?」

 王は三つ編みを手慰んだ。

「奇妙だね。今のお前が言っていることは、筋が通っているようでまるで通っていない。私に命令をさせて、貝の末裔の陸へ一人乗りこむつもりか? 無謀だな。自殺行為だ。お前は狡いねえ、ウルリヒ。自分の意思ではなく、あくまで私の意図に沿おうとする」

「好きだからです」

「は?」

「おれが、テルネラに惚れているからです」

 王は虚をつかれたような顔をした。ウルリヒは視線を揺らした後、青い小麦の海原を見つめた。

「それは……それは」

 王はため息交じりに零す。

「お前も難儀だねえ。よりによって、碧眼の子供が化け物に恋をするなんてね」

「恋とか恥ずかしいこと言わないでください」

「いや、お前がさっき言ったことの方がずっと恥ずかしいでしょう」

 王は呆れたように肩をすくめた。ウルリヒは少しだけ赤くなった頬に手を当てて、頭をゆるゆると振った。

「王さま、おれは狡いです。そうです。だから、あなたの命令で行動したい。おれは臆病者だから、自分の意思で貝の末裔と交渉なんてできないんだ。だからあなたに勇気をもらいたい。テルネラは、貝の末裔は人間と共に生きられるはずだと言いました。お互いにお互いを知らないから、片方は贄に、片方は化け物に成り下がっているんだって。でもおれも……少しだけそう思うんです。おれはテルネラと、テルネラをおれに預けた黒真珠の子供と出会わなければ、あいつらのことを好きにはなれなかった。でも、あいつらがおれたち人間をばかにしていることは事実です。あいつらは金属を使っている。おれは黒真珠の子供に言われました。人間ってまだ石器を使っているんだねって。あいつらにとっておれたちの文明は遅れてる。だから餌に見られてしまうんです。だからおれたちはおれたちの力で、あいつらに追いついて見せる。金属だって、作りだして見せる。王さま、これは、おれたちの村で作った金隗です。これを作れば、いつか真珠を手に入れた時、飾りとして加工ができます。美しい真珠に、藁の紐は似合わないでしょう」

 王は、ウルリヒの掌で輝く金の粒を見つめた。

「……これを、お前の村で作れるというの?」

「正しくは、おれが村で保護している、とある人間が、です。これと同じものをたくさん作るためには、この国で作られた楮の紙が必要なのだと言っていました」

「紙を作るのは簡単じゃない。さて、この金を作るだけの価値はあるのかい? 必要とするのは私くらいのものだろう」

「金属器を作ることができれば、貝の末裔と対等になれるとおれは思います。今のままだと、仮に貝の末裔と交渉できたとしても、おれたちはあいつらに施しを受ける立場になってしまう。貝の末裔は木を欲しがっているようですけれど、木だって育つのに時間がかかるし、おれたちにとっても必要なものだ。どう考えても、人間側の立場は弱いんです」

「……すぐには答えを出せないな。考えておこう。また手紙をよこすよ」

 王は目を伏せて、深く息を吐き、ウルリヒから貝殻の冠を受け取った。

「これでも十分綺麗だ」

 王は貝殻を日の光にかざして見つめた。

「だが、私は王。美しいものを求め続けなければならない。王は常に貪欲でなければいけない。そうでなければ、人を率いていくことは叶わない」

 ふと、眼下を見下ろして王はくすりと笑った。

「お前、あの貝の末裔の娘を連れて来たな?」

「はい?」

「私の民と臆せず話している。度胸のある娘だな」

 ウルリヒは小麦畑を見下ろした。白い髪が陰る日の光を浴びて、橙と青に染まって見える。ウルリヒは耳を赤く染めた。

「ばっ……」

「明後日、婚儀をあげることになっている。お前たちも見ていけばいい。お前もそろそろ嫁をもらう年頃だからな、参考にでもなるだろう」

 王は歌うように言った。ウルリヒは視線をゆらゆらと彷徨わせた。

「……別に」

「あの娘を伴侶にするのは、少し厳しいかもしれないな。お前にその覚悟があるのなら、だが」

「な、あいつには、つがいがいるから」

「黒真珠の子供か? それはもう、海底で木に成り果てているのではなかったか? ならば彼女は未亡人のようなものだろう――どうした、顔が夕焼けの様だぞ」

 ウルリヒはきゅっと口を引き結んだ。王はからからと笑った。

 梯子を伝って、王は下へ降りていく。睨むように見つめていたその黒髪が見えなくなって、ウルリヒはほっと息を吐いた。

 青い小麦畑が夕焼けにあてられ、橙色に染まっていく。波の真ん中で佇むテルネラの背中に、灰色の影が伸びる。

 ウルリヒはその景色に向かって無意識に手を伸ばしていた。はっとして、腕を下ろす。けれど、視線は逸らせなかった。

 テルネラが、海の中に飲みこまれてしまいそうだ。

 ウルリヒは梯子を伝ってやぐらから降りた。小麦畑をかき分けて、テルネラの背中を追う。草の擦れる音にテルネラが振り返って、ばつが悪そうに目を逸らした。

「待ってろって言ったように記憶してるんだけどな?」

「……遅かったんだもの。あんなところに一人残されて、どうしたらいいかわからないよ」

「まあ、それもそうだな」

 テルネラが首を傾げる。ウルリヒは、空に向かってぴんと伸びる穂先を指でつついた。次第に真似をして、テルネラも指で穂先をつついて遊んでいた。二人はしばらく無言だった。ウルリヒはそっと麦の穂を撫でて、顔を上げた。

「貝の末裔の土地の草は、透明って言ったっけ」

「うん。緑じゃなくて、白っぽかった」

「これくらい、背が高かったの」

「どうかなあ……場所にもよるけど、もう少し低かったかな。私の腰くらい? それに、柔らかかったからこんなにつんつんしてなかったなあ」

 テルネラは、ふふ、と楽しそうに笑った。ウルリヒは少しだけぼうっとしながら、小麦畑の向こうに白く引かれた地平線を眺めていた。

「ふーん」

 ウルリヒの気の無いような返事に、テルネラは首を傾けた。

「どうしたの? ウルリヒ」

「なにが?」

「マルクスさんちを出てから、その……私がちょっと泣いちゃったときから、なんかすごく口数が少ない」

「いつもこんなもんだよ」

「いつもは私と口げんかみたいになってる」

「別に……けんかしたくてしてるわけじゃねえし」

 ウルリヒはテルネラの目を見つめた。テルネラは不思議そうに見つめ返してきた。曇りのない目に胸が苦しくなった。伸ばしかけた手は宙でふらふらと彷徨った。テルネラが視界の端で揺れるウルリヒの手を見つめる。ウルリヒはそのまま手をテルネラの頬に伸ばして、黒真珠のような入れ墨を親指でなぞった。

「な、なに? くすぐったい……」

 ざあざあと、波がうち寄せるような音が耳の奥をかき混ぜていく。青々しい小麦畑はまるで海そのものだ。ウルリヒは顔を歪めた。テルネラの瞳は紫陽花色――オログがそう言ったのだと言って、テルネラが笑った風景が蘇る。悔しい。けれど、それ以上の形容を思いつかないのだ。雨に濡れて花咲く紫陽花は、テルネラによく似合うと思った。

「ねえ」

「えっ?」

「おれの目の色、空と海、どっちの色だと思う?」

「ええ?」

 テルネラは白い睫毛をぱちぱちと揺らした。

「青だけど、どっちの青だと思う?」

「ええ……海の青は、空の青を反射しているだけでしょう? だったら同じ色だと思うのに……」

「どっち。答えて。あんたらは、好きなやつの瞳を紫色の花にたとえるんだろ。青い花なんてたくさんはないから、空の色か海の色か、それで勘弁してやるよ。別に、おれのこと嫌ってはいないだろ」

 ウルリヒは引きつった笑顔で笑った。

「それとも、おれのことは嫌い?」

 テルネラは眉尻を下げて、瞳を僅かに揺らした。そして心許なくあちこちを見つめた後、まるで助けを求めるみたいに空を仰ぐ。ウルリヒは、テルネラの仕草を全て目に焼き付けるようにじっと見つめていた。やがて、空を見上げるテルネラの目元がきらりと輝いて、目尻から涙がすう、と伝って零れた。テルネラの肩は小刻みに震えていた。

 そんなに言いづらいことを、聞いてしまったのかな。

 ウルリヒは、自嘲した。何を焦っているんだろう。海は貝の末裔にとって、まぐわって子供を産み落とす場所だなんて。そんな話を聞いてしまったから、きっと熱におかされているんだ。ウルリヒは、もういいよ、と言おうとして唇を僅かに開いた。

「海」

 テルネラは鈴が鳴るような声で呟いた。

「海は嫌い。オログを閉じ込めてしまったから。海は嫌い。私はオログを追いかけなかったから。追いかけられたのに、後ろめたさが邪魔をした。私は私の意思で追いかけるのを諦めた。いつでも海に潜ろうと思えば潜れるのに、見ないふりをした。私はオログが木になっているのを見るのが恐い。それを見捨てた自分を見つめるのが恐かった。私の吐けない真珠がたくさんたくさん積もっているのも嫌い。海の中は私を苛む。私の劣等感を全部苛んでくる。だから、嫌い」

 テルネラは上を見上げたまま、顔を両手で覆った。

「だから、あなたの瞳を海だなんて言いたくなかった。でもあなたの目は私にとっては海の青。深くて、辛くて、悲しくて、私を苛んで、私を迎えてくれる優しい色。私は空よりもずっと海が嫌い。でも空よりもずっと海が好き。あなたと見た、夜空を映す水面を忘れられない。私に貝の一族を捨てさせたあなたを恨んでる。でも、あのキラキラ輝く夜空のような水面を見ていたから、私は人間になれた。海から上がって、人になれた」

 ウルリヒは手を伸ばして、そっとテルネラの手を解いた。テルネラは今度は俯いて、何度もえずくように涙と咳を零した。

「……おまえって、おれをいちいち傷つけないと、褒められないわけ」

 ウルリヒは笑った。テルネラは小さく、ごめん、と言う。

「なんでおれを見てると、苦しいの。嫌いなの」

「だって、海から引きあげてくれたのに、また沈めようとする。人になるって決めたのに、貝の末裔に戻りたくなる。あなたと同じものになりたいけど、私はちがうんだよって認めてほしくなる。私は人にはなれない! なれないんだよ。私の血は青くて――いたっ」

 テルネラがばっと顔を上げた。ウルリヒは、テルネラの唇を引っ掻いた自分の爪を眺めていた。一瞬だけ青く滲んだそれは、色を無くして消えてしまった。テルネラの唇からは血が流れているけど、透明だ。貝の末裔の陸にある草木も、そんな色なんだろうか。空気に触れたらやがて色を無くしてしまうなんて、まるで水に浸けた露草だ。ああ、オログの瞳は、露草色なんだっけ。ずるいなあ。ウルリヒは目を伏せて笑った。

「おまえがいなくなったら、この目なんて見えなくなっていいよ」

「何を言ってるの……? あと、なんで唇引っ掻いたの? 痛いんだけど……」

「おまえがいないなら、こんな青い目、白く濁ったって構わない。そういう感じ」

 ウルリヒは、テルネラの血を舐めるようにそっと唇をつけた。少しだけ塩のような味がした。

「ウルリヒ、なに……」

 テルネラの擦れた言葉を飲みこむようにもう一度口付けて、何度も食むように噛んだ。少しだけ強張っていたテルネラの力が緩やかに抜けていく。

 そのまま二人で、崩れ落ちるように地面にぺたんと座り込んだ。青い小麦が二人を空から隠してくれる。ウルリヒがテルネラから唇を話すと、テルネラは顔を真っ青にして、ウルリヒの頬を叩いた。全然痛くない。その手をとって、頬をすり寄せ、ウルリヒは瞼を閉じた。

「な、な、何するの」

「好きだなあと思って」

「な、な、なにが」

「おまえのことが、好きだなあと思って」

「嫌い!」

「おれは好き」

「い、いきなりなんなの」

 ウルリヒはテルネラの目を覗き込んで、笑った。

「おまえの帰る場所、作ってやるよ。努力する。もう、貝の末裔を化け物だなんて呼ばない。一緒に笑いあって、生きていきたいんだ。だから、がんばる」

 テルネラは一瞬息を止めて、やがてぼろぼろと涙をこぼした。真珠の粒のような涙が落ちて、土を濡らしていく。土と涙で汚れた指を擦りつけながら、ウルリヒはテルネラの指にそっと触れて、もう一度だけ口付けた。立ち上がって、呆然としているテルネラを見下ろす。腕を引くと、テルネラはゆるゆると立ち上がりかけて、急に激しく咳込んだ。

「どうした」

 背中をさすってやる。テルネラは苦しげに何度もえずいた。

「き、きもちわる、い」

「なにが? ごめん、気持ち悪かった?」

「ちが、のどの、おくが、なんか」

 テルネラがもう一度咳込んだ後、テルネラの口から何かが飛び出していった。テルネラは口を覆って、眉を潜めきょろきょろと瞳を揺らした。

 ウルリヒは地面に落ちた淡い桃色の粒を拾った。

 歪な形。小さくて、白と橙色の三日月が歪んだ筋を引いている。ウルリヒがそれを抓みあげると、三日月はくるりと移動してきらりと笑うように輝いた。

 テルネラも舌を出して、舌の上にある何かを抓み取った。テルネラの赤紫色の目がみるみるうちに見開かれていく。

 二人で、二粒の淡い輝きを呆然として見つめていた。

 テルネラが、真珠を吐いたのだ。夕焼け空の下で、夕焼け色の、小さな粒を。


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