22世紀

投げ掛ける

鳥のように自由に

羽ばたくに任せ

空に月

月に雲を



ほのおの泉が鳴る

太陽の女神が息づくように

雪が雫を落とすように

変わり果てた地の上

良識の穂の中で


夢が渇けば

誰かの翼がまた叫ぶ

森は海を宿した大樹を生み

断罪の夜

そして星はいなくなる


メロウな天使よ

私に22世紀は見えますか

胸に誇りはありますか


陽炎かげろうに王が往く

掌に運命の粒を添えながら

城塞は既に墜ちた

名も知れぬ一人一人の松明たいまつ

呼び掛けた神の反逆に


這い寄る虹に幻のなぎを送れ

ラッパはその時咳き込むだろう

私は永遠に死ぬだろう

欲望のない溜め息の温もりを

もはやあなたは知らないだろう


陰影の呼吸いき

それがきっと

地球をぐるりと回している

嗚呼 あなたは廃墟にふさ

地上において 神の御名みなにおいて


私の天使よ

あなたに22世紀は見えますか

胸に誇りはありますか



投げ掛ける

鳥のように自由に

羽ばたくに任せ

空に月

月に雲を



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