七色天使の死の上で

 赤い闇。月は凍え、大陸には北風をたたえ、そして、安息の行方──そこに、小さな小さな夢があった。

 

 悲しき空にしゃぼんは回る。天の扉の向こう側で。七色天使の死の上で。

 

 畏まる者に憲兵は叫ぶ。

 「嵐を恐れる者に神などいない」

 だが、背中に押し付けられたやいばこそ、私にとっては──嗚呼、私にとっては神だった!

 

 人は言う、

 「とがなき者に慰めを! 罪なき者に救済を!」

 七色天使の死の上で。


 ……七色天使の死の上で!



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