第16面 親切に辟易する私

初めは小さな親切

不慣れな私を気遣う

その心が嬉しくて感謝した


でも次第に負担になる


煩わしい、苛立たしい

耳にタコ、げんなりする、

辟易する、もううんざりだ…


積み重なる親切が重たい

偽善に感じて、苦々しくなる

感謝を伝えるのも、もう面倒くさい


そんな風に思う私は薄情で

汚い人間なのだと自己嫌悪する


わたしは囁く

押し付けられる親切は迷惑だ

相手は善意で動いているから

こちらの言うことに耳を貸さない

とても疲れる


私はその通りだと頷く

相手には言えない愚痴を

わたしに繰り返し繰り返し紡ぐ


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