生きるもの時に死を思う

 眠る前。そうそう、ちょうど眠る前の僅かな時間の中。私はふと考えるのだ。死んでみたいと。

 君たちの言いたいことは分かる「早まるな」とか「不謹慎だ」とか言うだろう。しかし、私はこれを決して終わりとして用いようとは考えては毛頭ない。

 好奇心だ。これは。私はただ少し覗いてみたいだけなのだ。願わくば眠るように、それも安眠の中に潜り込むように臨死体験がしてみたいと思ったりする。

 遠い昔の人はその体験を通して地獄を見たという。しかし、死の後は永遠の闇だと言うものもある。天国だと言うものも、輪廻転生説を唱えるものもある。

 もしかしたら、死後の世界は人の数だけあるのかもしれないとふと思う。

 ピカソのような独特な感性の持ち主が死後訪れた場所はやはり芸術的な至極に近いものかもしれない。

 一般的で不自由のない人生を歩んできたものは死後の世界も月並みなのだろうか。いや、やはり少しずつ異なっているだろうと思う。

 鬼の顔が昔よく怒鳴りつけられた近所のおじいさんの顔だったりするかもしれないし、針山には会社の資料が刺さってるかもしれない。


 善い行いをすれば天国行きと言うが、善い行いとは何を基準に決めたらいい、どれだけをどのくらいかけてやってやればいい?

 私は考えるが、考えるばかりで行動が遅い。

 好奇心はあるがそれだけである。行動力が著しく低い。故に、私が臨死体験をするために何かをするというのはあまりに現実的ではないなと考えるのである。

 とまぁ、寝る前はずっっつつと頭の中の人がこんなことを話し続けている。近所迷惑だから黙って欲しい。


いつも段落先頭下げを忘れる。(編集済み)

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