死。
消えてしまうのか。抽象的な表現になるかもしれない。許して欲しい。
消えかけてた灯火が消えてしまった。彼女の大事な部分は砂漠と化していて、問いかけても問いかけても、答えはいつも同じだった。
でも、体が軽くなった後でも彼女の掛け布団は微かに動いている気がした。ゆっくりと上に下に上に下に。僕は彼女のことをよく知らない、でも、小学生の時に会った時の感じはとても元気が良さそうだった。折り紙も好きな様子だったしテレビも見ているようだった。しおれていく花のようだ。咲いたからには枯れていくように、生まれたからには死ぬしかないのだ。大事な記憶はどこへ行ってしまうのだろうか、彼女が今まで瞳にうつしていた記憶はきれいさっぱり消えてしまうのだろうか、それは寂しすぎるとても、とても。きっとどこかで息をしてる気がするひとつの作品として、どこかで生きている気がする。何かに吸い上げられたかのように萎んだ体を見て僕は静かに瞳を閉じた。
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