第35話 掲示板回 2 [思い出回]
「おーい!みんな集まれー!」
不動明王が仏像達に呼びかける。
「どうしたのだ?」
呼びかけに答えて薬師如来や阿弥陀如来、十一面観音菩薩達が集まってきた。
不動明王の隣には、のび太とメタボ先輩。神主たちもいる。
「もしかしたら…と思ってチェックしてみたら、やっぱり話題になってて」
オタク神主がパソコン画面をプロジェクターに映してみせる。
「なになに…」
「ネット掲示板に鳥居ちゃんとミカエル君の目撃情報か…」
「余所の神社の子など知らぬ!」
「詳しく解説し過ぎじゃ!」
「島民の子孫なら島の秘密を守れ!こんなところでウジウジと書き込みなぞ!」
サッと読んだ祭神たちがちょっとキレた。
「うん、突然だったけど商店街の皆さんは頑張ってくれたよね」
「大根じゃったがな!」
「それは仕方ないよ。あれでも上出来だよ」
「……。」
仏像たちが静かだと思ったら神社の長男の書き込みに釘付けだった。
『護衛の大人達はたぶん仏様とか観音様とか、そっち系だと思う。たぶんものすごく位の高い存在。
見えない振りしてたから、あんまり見えなかったけど、ものすごいイケメンだったと思う。』
「お不動さん…」
「む!ごほん!」
「こ、これだけじゃ分からんぞ。」
「そうだ続きをよんで今後を判断しようではないか!」
仏像たちは自分たちのイケメンぶりが、どう評価されたのか気になって仕方ない様子だが、続きが気になるのは同じなので新しいスレッドを開いた。
【モルダー、あなた疲れているのよ】宮島での妖怪?天使?目撃情報【1体目】
1:名無しのビール売り
新たな目撃情報や、専門的な知識などを交換しましょう!
● 他のユーザーさんをバカにするような発言は禁止です。(笑点レベルの笑えるディスり合いはOK、ネタにされたユーザーが不快になるのはNG)
● 書き込み内容を否定する方は、このスレへの参加をご遠慮ください。
● 現地の皆さんに迷惑をかけるような書き込みも禁止です。
● ましてや現地に乗り込んで関係者の皆さんに物理的に迷惑をかけてはいけません!
ルールを守って、楽しく情報交換しましょうね(^ ^)
2:擬人化好きな俺
幼女と聞いて
3: 獣っ子好きなモフモフさん
キツネ耳のキツネっ子と聞いて
4: ショタ好きなお姉さま
金髪の美少年天使と聞いて
5: 貴腐人
イケメンと聞いて
6: 島民の子孫
こんにちは
7: 神社の長男
こんにちは
8:名無しのビール売り
神社の長男きた!
島民の子孫も!
9:名無しのオカルト好き
待ってた!
10:島民の子孫
ビール売りさん、スレ立てありがとう。
あと、スレのルール作りも感謝です。
11:神社の長男
このルールは良いですね。
ありがたいです。
12:名無しのビール売り
いえいえ。楽しく語りたかったので。
13:擬人化好きな俺
で?幼女について詳しくお願い!
14:ショタ好きなお姉さま
金髪の美少年天使についても!
15: 貴腐人
位の高いイケメンとは!?
16:名無しのビール売り
落ち着け、みんな慌てすぎだぞ
17:島民の子孫
俺は前のスレで書いたのが全部。
むしろ詳しい人に話を聞きたいくらい。
あ、でも見た目については書けるかな。
キツネちゃんと天使君の護衛みたいな大人達はみんなタイプの違うイケメンだった。
全員、身長は高かった。
その周りに僧侶とか神主さんみたいな人達もいた。護衛の護衛?いや護衛のお目付役?そんな雰囲気の普通の人たち。常識人て感じだった。
イケメン達は
天使君とキツネちゃんは5〜6歳くらいかな。天使君は初々しい感じの超美少年でキツネちゃんは日本風の愛嬌たっぷりな美少女って感じだった。キツネの尻尾がブンブンしてた。
18:神社の長男
俺の見た感じもまったく同じ。
あのキツネ尻尾はヤバい。モフりたくなる。
あと個人的に護衛のお目付役みたいな関係者の皆さんにシンパシー感じた。苦労していそう。このスレが原因であの人たちに迷惑をかけないようにしようぜ。
19:貴腐人
位の高い長身のイケメンが幼女と美少年にゲロ甘で言いなり…(ハアハア)
20:ショタ好きなお姉さま
金髪の美少年天使と長身のイケメンの組み合わせ…(ハアハア)
21:擬人化好きな俺
いいなあ、シャーマンの血筋でも無ければ島民の子孫でもないので俺は目撃できなさそうだけど、そこにキツネ巫女な幼女が存在してるって聞くだけで、ファンタジーで嬉しいな。
まだ先だけど初詣に行ってお賽銭はずむつもり!俺のお賽銭でキツネ巫女ちゃんに美味しいもの買ってあげてほしい!
22:ショタ好きなお姉さま
金髪の美少年天使に私のお賽銭で薔薇を買ってあげてほしい!
23:神社の長男
年末年始はウチの神社が忙しくて自分は行けない…。
あの子たちの頭を撫でなでしたい。
……以下、常識的に会話を楽しむスレが、ほのぼのと続く。
「このスレッドは放置で良いのでは?」
「私もそう思います。これを邪魔するのは無粋ですね。」
「鳥居の愛らしさは人間にもわかるのじゃな!」
「やはり尻尾を付けて正解じゃったな!」
「うむ。」
「ミカエルとワシの組み合わせが人気のようじゃな!」
「いや、ワシとミカエルじゃろう?」
「いやいや、ワシとミカエルでは?」
「……。」
仏像たちが暴走しないよう注意しなければ…と常識人の僧侶たちが視線を合わせて肯きあった。
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