第18話 [賓頭盧尊者]最新のイケメンにアップデート
やんちゃとマッチョに囲まれて逆に目立っていた。
「ヒョロヒョロじゃのう。しかもワシの嫌いなミディアムヘアーじゃ。茶髪じゃし…」
さっそく不動明王がケチを付けてきた。
「お主にモテたい訳じゃないからの」
「むう…」
「まずはこれじゃ!」
「お主、目が悪かったのか?」
「視力は悪くない。両目あわせて4.0じゃ。これは眼鏡キャラというものに欠かせないアイテムじゃ」
「なんだか全体的に地味ではないか?」
「うむ、地味キャラと見せかけて、スマートでクールな眼鏡キャラじゃ。一見地味じゃが眼鏡を外すとイケメンというギャップ萌えでモテモテの要素も狙っておる」
すちゃ!と、眼鏡を外す
「ちょいダサな私服で学園のマドンナに『彼には私がついていなきゃ!』と思わせる戦略家でもある」
「スマートでクールなのに、ちょいダサ?」
「最初に宣言した草食系真面目男子はどこ行った?」
「迷走しておらぬか?」
「ちなみに独占欲は強めで、付き合ううちにちょっと鬼畜な一面が出てくる。軽めの鬼畜眼鏡に仕上げてみたぞ」
「要するにカッコ悪い鬼畜眼鏡か」
「締まらんのう…」
「……。」
今後キャラ変更があるかもしれない
この他にも百体不動はそれぞれの推し戦国武将に寄せてきたし、千体不動たちは魁!イケメン大聖院塾を結成してしまった。
さらに闇抱えてる系、幼馴染系、ツンデレ系、可愛い系、チャラいけど本命には一途系、腹黒系、年下系、番長系、幕末系など、お腹いっぱい揃った。
好き勝手なキャラクター・メイキングで由緒あるお寺がキャラクター辞典のような寺院になってしまった。
不動明王が自信ありげにミカエル君を振り返る。
「どうじゃ!ミカエル君?」
「みんなカッコよくて面白い!すごいね!」
最初の怯え方が嘘のようにキラキラなミカエル君だった。
「そうかそうか」
「カッコいいか」
仏像たちもイケメンと認められてご満悦だ。
面白いは聞かなかったことにするようだ。
「はいっ!」
鳥居ちゃんが元気良く手をあげた。
「はい鳥居ちゃん」
不動明王が鳥居ちゃんを指す。
「あのね、不動明王様たちはミカエル君を怖がらせないよう現代風に進化したのでしょう?」
「うむ。その通りじゃ!」
「それなのに、どうしてモテモテとかイケメンにこだわるの?」
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
空気を読んだミカエル君がオロオロと挙動不審だ。
「どうしてモテモテとイケメンにこだわるの?」
鳥居ちゃんが容赦なく攻めてくる。
攻撃を緩めるつもりはないようだ。
「……。」
「……。」
「と、鳥居ちゃん、カッコいいイケメンて、僕あこがれちゃうな」
「そうなの?」
「うん。きっと僕の為にしてくれたんだよ」
ミカエル君はマジ天使だった。
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