あまり読む価値のないもの

斜 てんびん

ほんとに普段の僕です、こんなやつ。

 大学三年の夏休み。

 特に受かっても受からなくてもいいと適当に受けたインターンシップの選考に漏れ、僕はそれまでと同じように実家に帰って来ていた。

 入学当初から入っている部活は今年の9月で最後。

 今朝起きぬけに、同学年の部員からモーニングコール。

 少し鬱陶しいと思うのに、仲間外れにされていない――忘れられてないことがむず痒くもあった。

 部活の後海行こうぜ、と笑う声。

 「実家にいるから無理」とこっちも笑って返し、通話は切れた。


 まだ瞼の思い布団の中、あーあ何してるんだろうな、僕は思う。

 やらなければならない事、やりたかった事はいっぱいある。

 なにもしてない事への、罪悪感と焦燥感もいっぱい。

 例え他人に「そんなことないよ」と言われようが、拭いようのないあれだ。

 みんな仕事してるのに、一人だけ手持無沙汰の役立たずのときのあれだ。


 英語勉強して、まだ決まってもいない就職先の会社でどや顔してやるぜとか。

 ――とんだ取らぬ狸の皮算用だ。

 ギター買って練習して、趣味増やすぜとか。

 ――先ずもっかいバイトしろ、ニート野郎。

 きちんとインターンシップ行くやら企業研究やらして、親を安心させてやるぜとか。

 ――いやお前マジそれな、単位とるだけが大学生じゃねえぞ。


 とまあだいたい、どれも半ばで力尽きてしまっている。

 短い人生で学んだこと。どうやら僕は努力し続けられない人間らしい。

 飽きっぽいと言い換えてもいいけど、その表現が自分にとって優しすぎて嫌だ。

 ホント言うなら、努力できる環境があるくせに、なにもしないクズ野郎くらいの勢い。

 これを某SNSやらでつぶやくと、きっと変なリプやらDMやらなんやらが大量に押し寄せることだろう。

 いや、僕のSNSにそんな発信力は無いか。

 第一、そんな発言はSNSでしたく無い。なぜなら求められていないから。

 誰かから求められそうなことをするのが、正しい趣味や気持ちの良い生き方だと僕は思っている。思っているだけだが。

 なぜ思うのかというと、そうすれば少なくとも他人を不快にさせないだろうからだ。

 もっというと、だれからも批判されずに評価や反応が欲しいんだ。

 いま書いている謎文章だって、公開せずには書き進められない僕だから。

 感想やレビューが無くたって、PV数だけでやる気が出てしまう僕だから。

 批判されない評価なんて、正直たかが知れている。分かっている。

 大勢の人に見てもらう努力が足りていない。そもそも執筆すら遅い。


 分かっているのに、書かない。

 おそらく、書けないのではなく、書かない。

 テストやら部活やらと色んな事が起きると、恐らく処理が追い付かない頭の構造なのだろう。

 一つのことしか、基本出来ない。

 出来ないくせに、長く続かない。

 そんでもって、こんなグジグジしてる何もしてない奴の需要がどこにあるというのだろうか?

 いや、ないよなあ。

 需要の無い思いって、胸にぎゅうと押し込んでおくしかない。

 どんな相手にも、きっと求められないから。

 

 願わくば誰も読んでくれるなと思いながら書いた文章です。

 半分嘘です。

 願わくば、ここまで読んで貰ってどこか一個でも共感してほしかった文章です。

 だらけ切っている僕の共犯者を探しています。

 画面の向こうのあなたから怒られたら、全力でごめんなさいと言いますね。

 画面の向こうのあなたから共感されたら、全力でそれなと返しますね。


 本当の駄文をここまで読んでくれてありがとうね。

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