第11話 精霊は地獄耳
「あの…、ハンニバルさんはいいのですか?一度も発言されていませんが加護の交換を望んでいるのですか?」
それまで一言も発しなかったイケメンが口を開いた。
「俺はカデンの話をちゃんと理解せずに縁を結んでしまった。異世界の偉大な力を召喚できると聞いて自分に都合の良いように信じてしまった。その結果、カデンを悲しませ、6年も泣かせてしまった」
ハンニバルさんを慰めるようにカデンちゃんが寄り添う。
やばい。声もイケメンだ、幼女精霊とのツーショットやばい。イケメン保育士だ。
「後悔している。カデンが望むようにしてやりたいと思う。この6年、加護交換の候補に巡り合うことはなかった。
交換候補の加護が戦いの神と聞いて、申し訳なくも震えた。嬉しくて。もしも加護を交換してもらえるなら、決してその力を悪用しないと誓う」
ハンニバルが優しく微笑んだ。
イケメンの微笑みは破壊力抜群だった。
「はうう、このイケメン顔につられて縁を結んでしまったのよう」
カデンちゃんがハンニバルの隣でフラフラしている様子を見て父さんが囁いた。
「風花、あの子はダメ精霊かもしれない。うっかり交換に応じてはいけないぞ」
カデンちゃんが恨めしそうに父を睨んだ。
地獄耳だな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます