第一章4話 ああ…あのヤクザな村長?からの依頼が〇〇過ぎる…
第一章4話 ああ…あのヤクザな村長?からの依頼が〇〇過ぎる…
3話からのあらすじです
主人公エイタとお供精霊のハチは
辺境の村 アキノハラ にて
村人Aことヒロに連れられ
村の中を案内される。
生気のない村人達が精霊術師の主人公の来訪を知った途端に
活気が戻る様を見て
ただただ嫌な予感しかしない
不幸体質な負け犬主人公エイタ
断れない逃げ出せない自分の不甲斐なさを呪いながら
ヒロに連れられて村長に会った
エイタは驚きの声を上げるのだった…
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主「くっ…くみちょーさん?」
エイタは驚きの余り
つい素直な感想を口にしてしまっていた。
村長?「誰が組長ですか誰が!?」
年齢は50歳前後位だろうか?
主人公の前世界基準で見れば
マル・デ・〇〇
にしか見えない強面の人物は
即座に突っ込みに似た返答をした。
主「でっ…ではヤクザ屋さん?」
村長?「…そろそろそちらの方面から軌道修正して頂けませんかね………」
村長?は溜息をつきながらも
どこか慣れた感じで答えた。
…
主「そうでしたか。
それは大変失礼致しました。
てっきりそちら方面の方かと…」
エイタはそう言いながら
主…我ながら初対面の方に
良くぞここまでズケズケと
言えたものだ。
前世ではこんな事絶対言えなかったぞ?
などと自問自答していた。
するとヒロが
ヒロ「我らが村長から精霊術師様に折り入ってお願いが
あるのです!!」
と言ってきたのであった。
主…早速来たか。
エイタがお約束のパターンへの対応を考えていると
村長「自己紹介が遅くなりました。
私はタカフミと申します。
して精霊術師様のお名前は
何と仰られるのですか?」
村長からヒロには聞かれなかった
自分の名前を尋ねられた。
主…ふむ、見た目よりはまともな人物かもしれないな。
まがりなりにも村長だしな。
エイタは村長の問いに出来るだけ丁寧に応える事に努めてみた。
主「私の名前はエイタと言います。
相棒の名前はハチです。
どうぞ宜しくお願いします。」
そう言うと村長ことタカフミは少しだけ卑屈な感じでエイタに言った。
村長「エイタ様、宜しかったら
相棒精霊のハチ様を我々にも
ご紹介下さいませ。」
タカフミはより一層低姿勢で
エイタに懇願してきた。
エイタは一瞬困惑したが、
主「ああ、ハチは俺以外には見えないのね。」
エイタは自分の横に居る
ハチの方を見た。
ハチ「エイタが私を周りの者にも魅せたい!!って思えば魅せる事が出来るよ。」
主「いや、見せるだけで良いから。」
ハチ「ふ〜ん。つまんないなぁ。」
主「じゃあハチを見せるぞ!!」
エイタはハチを周りの人にも見える様に願った。
すると…
周り一同「おおッッ!!!!こっ…これが……
いや、このお方が精霊様…」
俺以外全員が感嘆の声を上げていた。
その様子を見ながらハチが言う
ハチ「どうだいエイタ?
私のスゴさが少しは分かったかぃ?」
エイタは何故か複雑な心境であった。
主「う〜ん…認めたくないけど
そう…なのかもしれない様な気がする様な気がする…」
それを聞いたハチは
少し呆れながら
ハチ「ほんっとエイタは素直じゃないねぇ…」
と呆れ顔で呟いた。
村長「エイタ様!!ハチ様!!
アキノハラ村を代表して一生のお願いが御座います。」
ふと周りを見渡すと
村長ことタカフミと他一同が
地面に頭をつけて土下座をしていた。
その様子を見てエイタは焦った。
主「ど、土下座!?
この俺に村長一同が土下座…」
思えば底辺負け犬人生だった主人公は土下座をする事はあっても
人様にされる経験は無かったのだった。
主「ちょっ、ちょっと待って下さい!?
一体どんなお願いだって言うんですか?」
エイタはこんな自分に土下座までして村長達がお願いする事に恐怖感を感じていた。
村長「はい。結論を先に申しますと、魔王の手先を倒して頂きたいのです。」
村長はさっきまでとはまるで違う
真剣な面持ちでエイタと向き合っていた。
主「魔王の手先…」
すかさず村長が答える。
村長「はい!!暫く前よりそれまで大人しかった魔王の配下の魔物達がアキノハラを始めとして
この辺りの村々を襲い始めたのです。」
村長タカフミは更に続ける
村長「我々は辺境の村で静かに平和に暮らしていた故に戦う術を知らず、途方に暮れておりました。」
村長「自衛策として村の周辺を
防御柵で覆ったり
見張りを強化したりしてはおりますが、
それも魔物達の前では無力に等しく村は存亡の危機に瀕しておりました。」
村長「そこで最後の希望として
村を代表してそこにいるヒロを
最寄りの都マングーへ使いに出していたのです。」
村長「マングーの都には
かつて魔王を倒した伝説の勇者の末裔であられる
ハルト様率いる勇者様一行がおられます。」
村長「 我々は村の存亡を賭けて
ヒロに勇者様一行にこの村を襲う魔物退治をお願いするつもりでした。」
主「つもり、とは?」
エイタはつい会話の途中で
口を挟んでしまった。
村長は悲しみの表情を浮かべ
村長「頼みの綱の勇者様一行は
既に魔王討伐の旅に出発されていたのです…」
村長「ヒロからの連絡の手紙が
村に届いた時、我々の心は
希望の絶頂から絶望のどん底へと突き落とされたのです。」
と悲壮感を漂わせながら語った。
エイタはその様子を見て
ヤクザが絶望したら
こんな感じになるのかな?
…などと妄想していると
村長「しかし!!やはりシン様は我々をお見捨てにはならなかったのです!!!」
先程とは一転して
村長は急に希望に満ちた表情を浮かべながら激アツに叫んだので、
場違いな妄想をしていたエイタは
心底ビックリしてしまった。
村長「何せ勇者様一行と同等…
いや、それ以上かもしれない
あの精霊術師様を我々の元へ
お寄越しになられたのですから!!」
村長は熱血全開に
ツバが飛ぶのも厭わずに
拳を握りしめ片脚を近くの椅子に上げたまま絶叫した。
その様子にエイタは少したじろいでいたが村長は御構い無しに
村長「通常であれば
この世に幾人と居ない精霊術師様が
この様な辺境の地にいるはずがないのです。」
村長「そしてこのタイミング…
これがシン様の思し召しでなくてなんだと言うのでしょう?」
村長は感極まったとばかりに
涙を流しながら熱く暑く語ったのであった。
そんな村長達とは対照的に
やはりどんどんモチベーションが下がっていくエイタ…
主…<確かにシン様がこの辺境の地に俺達を転送したのだから
間違ってはいないけどなぁ…
それとも最初からこのイベントが仕組まれていたのか?>
エイタが考えていると
村長「エイタ様ハチ様!!
改めて村一同より魔物討伐をお願い致します。
勿論出来うる限りの御礼はさせて頂きます故。」
村長一同が改めて深く深く土下座をしながらお願いしてきた。
エイタはハチに問いかける
主「ハチどう思う?」
ハチ「エイタがしたい様にすれば良いよ。」
ハチはあっけらかんと答える。
主「したい様に、か。
まあここまでお願いされたら
何とかしてやりたいとは思うけど
魔物だなんて…
俺に魔物討伐とか出来るの?」
ハチはそれを聞くと
ハチ「ま、私も居るしエイタが本気で強く願えば叶うと思うよ。」
ハチは何というか他人事みたいに考えてる様にも見える。
主「…想いの力が他の全てに勝る、か。」
エイタはもう深く考えるのをやめにした。
どうせハチが何と言おうが
最初から答えは決まっているのだ…
主「分かりました。
皆さんがそこまで仰るのなら
私達が魔物を退治しましょう。」
そう言って直ぐに自らの発言と行動を後悔するのであった。
主…<ああ…俺のバカバカバカぁーーー涙>
しかしそんなエイタの気持ちなど知る由もない村長達は
一気に喜びを爆発させていた。
一同「やったぁぁぁ!!」
一同「これで村は救われる」
一同「ありがたやありがたやー」
村長「エイタ様ハチ様
本当に本当にありがとうございます。
何と御礼を言ったら良いのか。」
村長タカフミは深々と頭を下げた。
主「良いって事ですよ。
正直自分達もあてとか無かったですし…
それに自分達の目的は魔王討伐なのでこの件は全くの無関係では無いですからね。」
エイタがそういうと村長は
村長「おおッッ!!エイタ様は魔王討伐の為にこの地を訪れていらっしゃったと!?
やはりこれは運命なのですな。」
村長はまた少し興奮しながら語った。
エイタはふとダメ元で村長に聞いてみた。
主「タカフミさんは魔王が何処に居るかとか勿論知らないですよね?」
するとタカフミはアッサリと
村長「え?知ってますが!?」
と答えたのでエイタはたまげてしまった。
主「えぇーっっッッ!!知ってるんですか!?」
村長は少し怪訝そうな面持ちで
村長「知っておりますが?」
と答えた。
主…<この世界の魔王の存在はそんなにメジャーだったのか?>
エイタが少し固まっていると
村長はエイタに答えた。
村長「魔王はここより遥か彼方にある魔物達の棲む修羅の国…
通称死国の首都
過羅都
にある魔王の城に居ると言われております。
具体的な場所などは分からないのですが…」
村長は遠い目をしながらそう答えた。
そして程なくして村長から
村長「エイタ様はどちらからいらっしゃったのですか?」
と質問が返ってきた。
エイタは何と答えたら良いか分からなかった。
主…<まさかシン様に異世界から召喚されました、とは言えないからなぁ…>
そうやってエイタが村長の質問に困っていると
村長「申し訳ありませんエイタ様!!精霊術師様ともあろうお方にとんでもない愚問を…
今の質問はどうぞお忘れになられて下さいませ。」
村長が急に焦った素振りで前言撤回を求めて来たので、
エイタはこれ幸いとばかりに
その流れに乗って事なきを得たのであった。
村長「ではエイタ様、襲来してくる魔物達の話をさせて頂いても宜しいでしょうか?」
エイタとの間に流れた
嫌な感じの流れを変えるかの様に村長がエイタに語りかけた。
主「勿論です。お願いします。」
エイタが答えると村長が語り出した。
村長「村を襲撃する魔物達は
どうも決まった方向から
こちらに来ている様なのです。」
村長「その方向には昔から何やら怪しげな遺跡の様な物があったのですが、どうもその遺跡が怪しいと睨んでおります。」
村長「しかし無力な我々には遺跡に行って確かめる事も出来ず、何とか魔物の襲撃に耐えておりました。」
村長「ですがそれもそろそろ限界が近いです。
エイタ様!!どうか先ずはその遺跡を調査して頂けないでしょうか?」
ここで村長は深い深呼吸をしてから話し始める。
村長「…勝手なお願いである事は承知、承知の上でお願い致します。
もし遺跡が魔物の巣窟であったならば、
エイタ様に魔物達を殲滅して頂きたいのです。」
村長は申し訳無さと悔しさが入り交じった表情をしながら語る
村長「本来ならば我々も総力を挙げて魔物討伐に参加すべきです。
です…が、現実には我々は何の力にもなれない…
エイタ様の足を引っ張る事以外に何も出来ないのです………」
村長は肩を震わせながら
声を搾り出す様に話した。
…。
エイタはふぅ〜っと
大きく息を吐いた。
主…<俺は騙されているのかもしれない。
前世ではこんな感じで騙された事あったもんな……
だけどそれでもいい。
騙すより騙される方がマシだ!!>
エイタは覚悟を決めた。
主「村長さん遺跡の調査は早い方が良いでしょう?
これから行きましょうか?」
エイタがそう言うと村長は慌てて
村長「いえいえ!!流石にそれは…
お気持ちは嬉しく思いますが、
せめて今日は村をあげてエイタ様とハチ様をおもてなしさせて下さいませ。」
村長は周りの者におもてなしの準備をする様に指示を出した。
主「そうですか。
分かりました。
ではお気持ちに感謝して
甘えさせて頂こうと思います。」
エイタは素直に村長の厚意に甘える事にした。
…
………
そしてその日の夜は
アキノハラ村総出での
エイタとハチのおもてなしの
宴が行われたのだった。
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後書きです。
相変わらずリアルの世界でも劣等生につき苦労苦労で何とかその日暮らして生きている
作者のリアル妄想系fantasistaです。
先ずは稚拙な文章にも関わらず
お読み下さっている
あなた様に感謝致します。
更には読者登録や本棚、
そしてスター!?を付けて下さった方々にはより感謝しております。
※作者は疎いので仕組み等がわかりません申し訳ありませんm(_ _)m
1人でもこの小説を待ってくれている方がいて下さる!!
という事が嬉しいので
リアルが忙しく厳しいですが
何とか頑張ります!!!!
こんな作者ですが、
応援の方をどうぞ宜しくお願いします。
※文章チェックする時間も無くて
確認不足でアップしたので
誤字脱字あるかもしれません。
その際は申し訳ありません。
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