目を醒ますと...

闇野ゆかい

第1話 謎の偏頭痛

「誠哉(せいや)、また明日なー。気を付けろよ」

仕事場の人達と居酒屋で飲んでいた。

俺が酒に弱いのを知っているが誘われきてしまった。

2時間も一緒にちびちび飲んでいたが酒に弱い俺は帰ることにした。

ビール一杯で酔うぐらいだ。

ふらついた足で家までつきキッチンに行き一杯の水を飲みベッドに倒れ込む。


痛っ痛い痛いっ。

5分後、突然偏頭痛がして、頭をおさえのたうちまわる。

今まで体験したことのない痛みで耐えられないぐらい痛い。徐々に痛みが強くなっていく。

だんだんと意識が遠のいていく。



***


「...エ、......ッエ......ルノエッ」

体を揺さぶれ、ゆっくりと目を開けると茶色い天井が見えた。

少女の声が誰かの名前を呼んでいる。

少女が俺の顔を覗き込んできた。

近い、近すぎる。

髪が垂れ下がって口に入ってくる。

「離れてくれないかな」

顔を上げて、

「ルノエってば、心配したのよ。戦闘中に突然苦しみ出して、倒れて5日間も寝てたのよ。本当に心配したんだから」

「あのー、俺ルノエじゃないんだけど。高槻誠哉っていうだけど」

「タカツキセイヤ......って、ルノエってば嘘は駄目よ。あなた、ルノエって言うのよ」

「本当に違うんだけど。高槻誠哉だよ、俺の名前」

「ルノエだよね。ルノエって言ってぇぇ」

俺の知らない人の名前を叫ぶ少女。

今さらだけど、ここどこ?この子誰?

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