天才姉弟と不思議兄妹
「姉さん!ちょっと待ってよ!」
「待たないよー。」
「ひどい!」
「えへへ、嘘だよぉー。」
「それでもひどい!」
「えぇー、なんて言えばよかったの?」
「普通に分かったって言えば良かったの!」
「分かったー。」
僕は靴ひもを結びながらこんな話をしていた。
子供っぽいなぁ、とか自分で思いながらもこのテンションで話している。でも、僕も姉さんも楽しんでる感じだし、良いよね。
「あっ、
高君と呼ばれた男の人は何やら大きな溜息をついてこちらにゆっくりと向かってきた。
「あのなぁ、そうやって大声を出してさ、恥ずかしくないのか?もう中2だぞ?」
「私は恥ずかしくないのだ!」
「はぁ・・・、これだからあんたと居たら疲れる・・・。」
楽しそうに高君?は楽しそうに話している。
そしたら、後ろから「あっ」って声がした気がする。
靴ひもを結び終わったし、何かと思って後ろを振り向いてみた。
「あれ?夏那だ。どうしたの夏那?」
夏那がこちらに走ってきた。そして、僕の目の前まで来てこういった。
「やっぱり、お兄ちゃんと
「珍しいね、夏那はさっさと帰っちゃう人かと思ってた。」
「いや、今日はお兄ちゃんと一緒に帰ろうと思って、お兄ちゃんを探してたの。」
「へぇー。」
「ところでさ、お兄ちゃんと楽しそうに話してる女の人だれ?」
夏那が僕の姉さんに指を刺した。なんというか・・・、夏那、睨んでる?
「ん?あぁ、僕の姉さんだよ。」
「へぇー・・・、えっ?あれ、幸田君ってお姉さん居たんだ!」
夏那が驚いてた感じだった。そんなに驚くことじゃないと思う。
「まぁ、居るよ。」
「あのさ、あのお姉さんって天才なの?」
「ちょっと待ってね、まず、何で天才って聞くのかもわからないし、夏那も十分天才だと思うんだけど・・・。」
「いや、姉弟そろって天才なのかなぁって。」
「姉さんは正真正銘の天才だよ。・・・、僕は天才じゃないけどね・・・。」
「幸田君も天才だよ。」
変に真剣な顔で夏那は言ってきた。
僕は目をそらしてしまった。
「ぼ、僕は普通だよ。」
「幸田君ってさ、マイナス思考だよね。まぁ、昔色々あったみたいだからね、しょうがないと思うけど・・・。」
「ねぇねぇ、何の話してるの?」
突然、姉さんが話しかけていた。
「何でもないよ、姉さん。」
「ふぅーむ、何か隠してる・・・。」
「それ、口に出していう事?」
「いや、言ってみたかったのだ。」
「そうなの?」
「そうだよー。」
「もういいや、もう帰ろうよ。」
「うーん、まぁいいや、かえろぉー!」
無理やり、僕は変える流れにもっていった。
いや、だって、この話題で姉さんを心配させたくないし・・・。
でもさ、何だろう・・・。変な違和感が・・・、あるんだよね。
この違和感って何なんだろう・・・。
あと、もう一つ違和感があるんだ、帰ってる途中、ずっと夏那が姉さんの方を見ては変な顔をしてた。最初の睨んでる顔とは違うかんじだった。
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