【供養企画用】骨の勇者は復讐す
綿貫むじな
設定とプロローグ的なサムシング
「復讐ものはどうなのか」というアドバイスを受け入れて考えてみる。
一行内容:かつての勇者が骨となって復活し、自分たちを殺した相手を探す復讐もの。
□物語の舞台――<ミッドランドと呼ばれる世界、いわゆる中世ファンタジー風味>
DJマオウと同じ世界。時代が異なり、アゼルがアズラゼルと呼ばれていた時代。
まだヴァルディア王国が建国されていない遙か昔、たぶん20万かそれ以上昔の話。
世界には魔素と呼ばれる不可思議なものが充満しており、誰もが気軽に疑いも無く、魔術や奇跡といった不思議な術を使いこなす事ができる。
また神や悪魔、妖精や精霊、魔物といった人外の者たちが跋扈する世界でもある。
・魔素と混沌と創造の神、セヴィスティア
魔素はかつての神々が世界を作った時に放った力と言われており、魔素こそが神々から広く人々に与えられた恩恵と言われている。しかしそれを悪魔や魔族、魔物たちまでもが使えるとは一体どういうことなのだろうか?
→答えとして、悪魔も魔族も魔物でさえも、神々に連なる系譜を持っている存在だからである。故に彼らも魔素を利用できる。全ての存在は混沌の神、「セヴィスティア」が生み出したものであるが故に。
・人間、魔族、そして神々の世界
「表世界」ミッドランドは主に人間が暮らす世界として認知されているが、その他にも世界がある事をごく一部の人々や悪魔、神々は知っている。神々の住まう世界はティアランドと人々には呼ばれている。
信仰されている神は秩序神「オランデム」と地母神「キァルケド」、そして破壊神としてかつての「アズラゼル」がいた。もっとも、秩序神と破壊神の争いによって「アズラゼル」は堕天し、今は裏世界に居るが。
今信仰されている神は主にオランデムとキァルケイドのみである。もっとも、人類が現れた原初の時においては創造神三柱と言われた「ヴィスカス」「スティドレイ」「ヴォレルデ」も信仰されていたが、時を経るにつれ次第に忘れ去られていった。大いなる海原のどこかの島々では、まだ信仰している所があるらしい。
俗に「裏世界」と呼ばれるバルドランドは悪魔や魔族が住まう土地と言われている。
その世界を統べるのがアズラゼルであり、彼は魔王と呼ばれ人々に恐れられていた。
アズラゼルはしばしばミッドランドに軍勢を従えて襲いかかっており、そのたびに勇者と呼ばれる存在が秩序神「オランデム」の加護を受け、勇者の武具を携えて魔王を撃退したのである。
・今作の主人公「カーライル=フォレスト」
かつて勇者として魔王アズラゼルに立ち向かい、ミッドランドを守った英雄。
魔をも屠る猛毒を持つ剣、サジタリアとドワーフのシグが作った防具を装備して数多の敵に立ち向かった。魔王を退けた後、伝説の武具となったサジタリアとシグシリーズの防具はオーランド王国の宝物庫に収められる。
カーライルはその後、妻の故郷のレント村で他の民と同様に農耕や牧畜をして暮らしていた。
時折、人々に請われて剣術道場を開く事もあったりしたが基本的に戦いとは無縁の暮らしを送っており、妻ルディアと子供二人で幸せに暮らしていた。
しかしその暮らしも、長くは続かなかった。
ある日突然謎の軍勢が村に襲いかかり、村は全滅したのである。
伝説の武具もなしにカーライルはよく戦ったが、ダークナイトと名乗る騎士に致命傷を受け倒れてしまう。妻と子供の安否は不明。
村に骸は捨て置かれていたが、通りすがりの死霊術士が壊滅した村の骸を集めてスケルトンの軍勢を作ろうと洞窟に彼の骸を運んだ所からこの物語は始まる。
・ミッドランドの国々
大体今の地球の大陸と同じような感じと考えて差し支えない。
北方の国「オーランド王国」が広域に渡ってユーロピア地方(ヨーロッパみたいな所)を支配している。位置的にはスペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、ドイツあたりをイメージ。
隣国は東にロンド・デミアール国(のちのロンデミオ王国)。北に海を挟んでブライトン帝国、西にはヴァルド海、南にはオルレイク海(地中海のような所)がある。
ユーロピアとエウリシア大陸の間には南北に延びて大陸を分割している細長い「蛇海」があり、ロンド・デミアールとシュウ国との国境線もその海で引かれている。
幅はそこらの川程度でしかないにせよ、明確な国境線として利用されており、文化が明確に変化するのが面白い。エウリシア大陸はアジアのイメージ。
また、この世界には他にも大陸があるが北方の国々では認知されていない。
南北メルキア大陸(アメリカ)、ルノマリア大陸(オーストラリア)、フリアドール大陸(アフリカ)、北極と南極。そしてバルドランドにいける唯一の扉として果ての島、深淵への縁がある。
概要:
かつて世界を救った勇者が住む村に襲いかかった謎の軍団。
勇者も神の加護もなく、伝説の武器も防具もなしでは魔物の軍団には太刀打ちできずにやられてしまった。村も跡形もなく蹂躙され、後には何も残らなかった。
勇者の骸は持ち帰られ、ネクロマンサーによってスケルトンの素材として使われようとしていた。
勇者の霊魂は本来であれば天に帰り、輪廻転生の輪の中に入って別の生物へと転生するはずであった。しかし勇者の体には死んだ村人の恨みと悔恨の念が渦巻いており、勇者の魂もまた怒りと憤怒に満ち、自分たちを殺した連中を突き止め、殺し返すまではけして天に帰らぬと誓っていた。
故に天国まで行くこともかなわず、現世の自らの亡骸にとどまり続けていた。
自分たちを倒したものは誰なのか。復讐を果たすまでは死ねない。
混濁する意識の中で自分を呼び覚ます声がする。
怒りに囚われた勇者、カーライル=フォレストは魔王の声を聞いた気がした。
「哀れな勇者よ、なぜに死にゆかず現世にしがみつこうとするのか。
それほどまでに恨みつらみが深ければ、いっそ現世に蘇って復讐でもするか?」
魔王の気まぐれな提案に勇者は乗った。
「肉体は朽ち果て、残るは骨のみ。然るに骨として現世に甦るが理。それでもよいか」
カーライルはどのような条件であれ、現世に甦る事ができるのなら飲むつもりだった。
「元より復讐さえ果たせればどうだって良い。早く俺を現世に戻せ」
「よろしい。ならば契約だ。今からおまえは我が配下の魔物として現世に復活せよ!」
勇者の魂に魔王の契約の印が施され、勇者の亡骸に魂が完全に定着する。
瞳に青い光が宿り、むくりと勇者は起き上がった。
まだ儀式をしていない死霊術士は驚き、慌てて使役の術を唱えるも今の勇者は魔王直属の配下である。野良の術士ごときの使役などに従うはずもない。
骨勇者は自らの傍らで鈍く輝き続けていた名もなき長剣を手に取り、一振りの元に死霊術士を斬り伏せた。
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