第129話【男】


 「間宮くん、おはよ!」

 「あぁ、おはよ。」


 って、え.......?


 いや、え?

 な、なんだその恰好!?


 「ん?どうかした?」

 「い、いや、おい山本。何だその恰好......。」


 え? 昨日のメイド服の店でもしかして買った系?

 にしても、な、なんでそのまま学校に?

 ってか、も、もはやこれはメイド服か?


 え? は?


 「.......。」


 今、俺の視界の中には山本サヤ。

 山本サヤで間違いはないんだけど.......

 な、何故か悪魔のコスプレをしている山本がいる......。


 いや、し、しかも何で周りはそんなに普通に......。

 どう考えてもおかしいだろ。1人だけコスプレって。は?


 何で皆ノーリアクション。


 し、しかも、何でそんな昨日よりも過激な......

 小さく黒い羽が背中に生えて、先っぽが小さな三角になっている細長い尻尾。

 そして、も、もはや、し、下着かと思ってしまうような黒とピンクの胸元の.....

 そ、それに何だそれは、い、いわゆるガーターベルトというやつ......?

 ふ、太ももが完全に.....


 ま、まじか。おい。いやマジか

 何で、え何でこ、こんなヤバい恰好で学校に?

 いや、え?


 本当に、え? さっきからマジで皆なんであたかもこれが普通みたいな反応?

 は?


 「も、もう。どうしたの、間宮くん。ふふっ、そ、そんなに見られたら恥ずかしいよ.....。」


 「え、いや、み、見てない。見てない。絶対見てないから。」

 いや、み、見てない.....。

 もう見れない。見たらやばい。

 ちょっとこれは....


 「もう、どうしたの? わ、私に、何か用でもあるの?ん?」


 って、え?

 い、いつの間に、そ、そんな近くに、いや、その恰好でこの距離はヤバイだろ。

 しかも何だその表情

 

 そ、それにやっぱり、む、胸元が......

 太ももが.......。


 おい、どうした俺。らしくない。らしくなさすぎるぞ。

 って、本当になんだこれ。い、異常だろ。異常すぎるだろ は?

 熱い、熱い、身体が熱い.....。やばい。


 「間宮くん?」


 や、山本の肌の露出がとにかく.....

 見れない。見てはいけない。見てはいけないけど......。

 す、すぐ隣にさっきからもう.......。


 何で、本当に本当にどうなっている。 

 は? ドッキリ? でもここは学校、それはおそらくというか普通にない。

 し、今までもそんなことは結局なかった。

 じゃあ、は? マジで何?


 何でこんな.....

 

 って、い、いつの間にか山本の顔が、山本の顔がすぐそこに.....。

 本当にすぐそこに......


 「ふふ、本当にどうしたの?」


 い、いや、いや、そ、それはこっちのセリフ。


 何だ。何だよ。お、おかしすぎる。

 おかしすぎるぞ。


 って、ちょ、ちょっと山本.......。


 そ、そんな、や、山本


 「..........。」



 って、え?



 あ、あれ? はぁ.はぁ...はぁ....え?

 今、俺の目には自室の天井が見えている光景。


 「へ?」


 時計の針は朝の5:00


 「ゆ、夢!?」

 は?


 う、うん。どう考えてもやっぱり俺は自室のベッドの上にいる。


 ま、まじか......。 

 な、なんでこんな.......。


 え?、俺、何でこんな......。


 何で.......。


 「......。」

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