鈍感ぼっちくん ~今日も嫌々学校へ向かう~(改定版)
卑屈な社会人
鈍感ぼっち編
第1話 【間宮健人】
昼休み。
いつもの様に俺の耳にはクラスメイト達の騒がし気な話し声や笑い声が聞こえてくる。
今日の放課後にどこで遊ぶか。部活がだるいと言った愚痴、昨日見た面白いテレビの感想、誰と誰が付き合っているかなどの恋愛話など。
話題は人それぞれ違うが、誰もが楽しそうな雰囲気をその声色に含んでいるということにきっと違いはないのだろう。
おそらく、この時間に自らの席に座ってじーっとしているものなどもほとんどと言うか、普通にいないはずだ。
そして、そんな教室の中で今日もしっかりと自らの机の上で寝たフリをして時間を潰す男が一人。
そう。もう薄々気づいているのかもしれないが
俺だ。
ん? 何故寝たフリをしているのかって?
言わせるな。普通に友達がいないからだよ.......。
現に今日も学校に登校してから一言も喋っていない
それが俺、間宮健人の日常だ。
俺の高校生活、こんなはずではなかった
そう。あの時のことを今でも思い出す。きっかけは今思えば些細で小さくしょうもないことだった。本当に.......
とりあえず、あれは入学後はじめての昼食の時間だったか。
いわば、クラスメイトと親睦を深めることのできる初めのイベントといっても過言ではない時間。 俺はそこで失敗をおかした
次々と教室内で昼食を食べるグループができていくなか、俺も友達をつくる為に自分の前に座るクラスメイトに勇気を出して声をかけたのだが
「ねぇ、ちょっと良いかな?」
「無理」
そう。まだ何も言っていないのにも関わらず、誘う前から何故か俺は声をかけた男に断られてしまった。まさに秒だ。
そして結局、声をかけたその男は俺の誘いを断り別のグループに入っていったのだが、まぁ別にクラスメイトは彼だけではない
こんなにもはっきりと断られてしまったことに少々驚きながらも、気持ちを切り替えて俺はすぐにまた別のグループへ
今度は机を寄せあって和気あいあいと食事の時間を楽しんでいるように見える4人グループ
次こそはと自らの椅子を片手に「俺も一緒にいいかな」と彼らに声をかけるも
「...............」
今度はまさかの無視。誰も反応してくれない
目は合っている。俺の存在を認識してないわけがないのに完全に無視だ
そこで俺の心は完全に折れてしまった.......
他にもグループはあるが予想外の現実に俺は拗ねてしまった。
1人静かに席に戻ってお弁当箱を開ける俺........
すると
「あーよかった。さっき陰キャに声かけられて焦ったけど無事逃げれたわ」
唐突に背後から声が聞こえてくる
声の主はさっき俺の誘いを断った俺の前の席の男だ
さらに追い討ちをかけるように俺の耳には俺を蔑むような声がまた聞こえてくる
「あいつ、1人で飯食ってるよ。ぼっちかよ」
ゲラゲラと俺をあざ笑う声も一緒に聞こえてくる
気が付けば、さっき俺の誘いを断ったグループの奴らもこっちを見て汚い笑みを浮かべている。
俺は情けないが涙がでそうになった.......
確かに俺は、平凡だ
顔も冴えないと思う
ただ、それだけでこいつらに拒絶されたのかと
俺がお前らに何かしたのかと?
いや、していない.......?
そしてこの時、拗ねた俺は完全に殻に籠ってしまった
そしてこれが大きな失敗だった
俺を拒絶した奴ら以外にもクラスメイトはいるのだから、めげなければ、拗ねなければ友達はできていたかもしれない
しかし、殻にとじ込もってしまった俺は他人と関わることを諦め、ぼっちになることを受け入れてしまったのだ
そして現在、高校2年の俺は無事にぼっちを継続中だ
学年が変わり、環境が変わったのに俺は殻にとじ込もり続けてしまった
こればっかりは完全に自業自得だ
俺はもう、この3年間は完全に捨てるつもりでいた
別にいじめられているわけでもない
空気として3年間我慢しようと.......
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他の作品も時間があったら見ていってください。
個人的に嬉しいです。
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