第4話 3回目の会の後で

3回目の集まりが、今日でした。

順子ちゃんの先輩のレストランでの会合でした。

池袋で待ち合わせのときに、彼女は、いつもより、

念入りに化粧をしていたようでした。彼女に断

ったにも関わらず、彼女は、私にちょっかいを出

してきました。少しずつ接触をかけてきたり、

腕をこづいたりしていました。

「まあ、しょうがないか。断ったんだから」

とつぶやき、皆と談笑していました。

小人数の会が始まり、三時間くらいで終了

しました。


平井に着いて、駅から出て、8分位で家に到着。

ドアを開け

「ただいま」

「お帰り」

「こちらが、田中順子さん」

「いらっしゃい」



娘の元気な声を聞いて、順子も

「お邪魔します」

「狭いところですけど、遠慮なく」

その言葉を聞いて、順子は、

「最高だわ、復活」

と元気な声をだした。真一は、心の中で

「失敗した」

と思ってしまった。


古い家や家族を見せて、完全にあきらめさせ

ようと考えたけれど、かえって彼女に敗者

復活戦のようなチャンスを与えたようだった。

何か判らないが、娘と彼女の波長が合ってい

る様で、昔からの友達みたいだった。とりあ

えず、彼女には、娘の部屋で寝てもらい娘に

パジャマを貸してくれるように頼んだ。


「何で、こんな感じになったんだ。」


彼女とは、個人的な付き合いが、全くなく、

理解が全然出来なかった。

祥子が順子に聞いた。

「お風呂入ります」

「シャワーだけあびたいです」

「それじゃー、パジャマは、これで」

「お風呂は一階ですので、着いてきて」

階段を下りて、一階の風呂場に案内した。

シャワーの操作の仕方、タオル、バスタオル

を渡して、台所の扉を閉めた。祥子が階段上

る時に、冗談で、

「覗かないでね」

と言ったから、

「悪い、冗談はよせよ」

と真一が、言い返しした。順子が風呂場から

出ると、今度は、祥子がシャワーを浴びた。

その間、順子は、真一の部屋で雑談していた。

「いいお嬢さんじゃないの」

馴れ馴れしく、しゃべっていた。

「有難う、お世辞でも、うれしい」



「本当よ、気が合いそうだわ」


「よかったね」

真一は、内心ヒヤヒヤだった。

「その番組、面白い」

「単なる、時間つぶし」

なんとなく、夫婦の会話のようだった。

「今日は、もう、しょうがないなー」

と心の中で叫んでいた。順子が聞いた。

「私が来て、迷惑」

「今、二人しか住んでないから、明るくなっ

ていいよ」

「これから、時々来ていい」

「たいした事、出来ないけど構わない」

それを聞いた順子は、勝ち誇ったような笑顔

を見せた。

祥子も風呂から上がり、順子に声をかけた。

「今、布団敷いてくるから、少し待ってね」

「了解です」

10分後、2階の祥子から声が掛かった。

「布団敷けたよ」



「それじゃ、寂しいでしょうけど、2階に行

きますよ」


その言葉を受けて、真一は、冗談で

「寂しいけど一人で寝ます」

と言ったら、順子が、

「後で来る」

「来なくていい。寝る場所ないよ」

「一緒の布団に入る」

「遠慮しとく」

「冷たくしないで」

と言ったかと同時に彼のほほに、キスをして

階段を上がって行った。

「やられた」

真一もシャワーくらい浴びてから寝ようと

風呂場に行った。

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