第19話 胡桃沢結華「魅了獣 ゼラチンマン」②
「はーっはっはっはっ! 貴様らはこのゼラチンマンに一撃も与えることなく終わる!」
しっかし……
「うっひょーぃ♪ 今回の妖魔獣、チョー色白イケメンじゃね?」
手足がバタバタしてしまうぅー!
「お前、目がハートになってるで」
「そりゃ、イケメンだからねー、ハートにもスペードにもなるって♪」
ってか
「なるほど、そういうことか」
「ん? なになに?」
言い回しが『嘘つき妖怪ソプラノハゲだるま』みたいになってしまったよ!
アタシ反省!
「敵がイケメンだから、
「え?」
イケメン妖魔獣ゼラチンマンが爽やかな笑顔で、ゆっくりアタシに近づいてくる~♪
やだよ~♪ 嬉しすぎるし♪
「ボクの魅力に参ってしまったようダネ」
で、アタシに顎クイをしようとしてきたから、
ボガッ!!
「ゼギャラッ!!!」(悲鳴)
「「「え??」」」
まあ、アタシの力じゃ、そんなに効いてないだろうけどね。
おー! おー!
「お、お前、相手イケメンやのに、殴ってええんか??」
「は? 相手は妖魔獣だよ? 魔獣だよ? イケメンであろうが、金持ちであろうが……、魔獣とはセッ○スできないじゃん!!」
「「「ええぇーっ!」」」
「そ、そんな理由か! お前その理屈やったら、犬も猫も鳥も、極論、幼児も高齢者も虐待してええことになってまうぞ!」
「
「見てるか! 見てへんから言うてんねや!」
「よ、よくも、ボクの美しい顔を殴ったネェ!」
あれ? ゼラチンマン?
怒っちゃった??
「お! 親父にも? 親父にも?」
「言わねえヨ!」
「ウケる!」
「だったら、こうダ!」
……ん?
ゼラチンマンがドロドロ溶けて……
「アレ? アタシ、倒しちゃった?」
「いや、『だったらこうだ!』って言うた後に、死ぬヤツおらへんやろ」
おお! 今度は、すっごい色白美女の姿になったー!!
まあ、イケメンであろうと、美女であろうと、妖魔獣だからやっつけちゃうけどねー!
って、
スカッ!!
あっさりかわされちゃった。
コイツ、意外と素早いんだね。
「「「か、かわいい……」」」
でもって、男性レンジャー陣は、さっきのアタシみたいに、目がハートになってるし!
「おいおい、この程度の美女、いつもアタシで見慣れてるはずじゃんよー!」
「はーっはっはっはっ! 貴様らはこのゼラチンマンに一撃しか与えられずに終わる!」
「さっきとセリフ変わってるし!」
しかも、ちょっと、顔引きつってるし! (口元しか見えないけどね)
ゼラチンマン(色白美人)が、
風を切る音が、ヒュン! ヒュン! ヒュヒュン!
けど、
「何やってんのーっ!
「いやいや、こんな美人を殴れねえよ!」
「美人かどうかはともかく、女性に攻撃をするのは……」
「美女とカレーには弱いんだよなー」
はあ……、こうなったら、アタシがガンバるしかないかー!
ゴスンッ!!
え? まだ、アタシなんにもしてないし!
ゼラチンマン(色白美人)の顔はぐにゃりと歪んで、その場に倒れちゃった。
攻撃したのは……、
ゼラチンマン(色白美人)をはじめ、
「……貴様ぁ! か弱い女性に手を出すなど、分別ある人間として許されると思っているのか!」
みんな、立ち位置わかってる?
「じゃかましわ! 男はなあ! 一番大切な女を守れたらそれでええんじゃ! それ以外の女は知ったこっちゃあらへん!」
ちょ、ちょっと、キュンとしちゃったじゃん!!
気持ち悪い! 今のキュン、返せ!
「なんで、アンタたちまでキュンキュンしてんのっ!!」
男レンジャー3人も、胸の前で手を組んで、目がハートだわ。
「貴様のような男、弱小正義の味方の風上にも置けぬわ!」
表参道交番の屋上に立って言い放つ
真空拳!
だけど、ホントは強いんだよなー。
もちろん、そんなコト本人には絶対言わないけどね。
遠距離攻撃もできる真空拳が
ちょっと、可哀想……
「お前、さっきから高いトコでごちゃごちゃ言うとらんと、文句あるんやったら、下りてきて戦えや。言うとくけど、さっきみたいにはいかへんぞ」
あ! アタシ、気付いちゃった! アタシ天才!
コイツって、ゼラチンみたいに変形できるから、ゼラチンマンなんだね!
てっきり、後半4文字は下ネタなんだと思ってたよ!
ったく、紛らわしいったらありゃしない!
ま、とにかく、コイツをアタシたち6人で倒して……ん?
6人いる?
ボウエイジャーって6人組だっけ?
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