第14話 神域

鳥居をくぐれば 神様の領域

足を踏み入れると 日常が消失する


不要なものが 取り払われる

例えば 虚勢 

例えば 虚飾

そして わたしだけが 残される


真ん中は神様の通り道 

端に避けて静かに歩む


もう一つ鳥居をくぐれば

神様の結界の内側に入る

鎮守の森のざわめきと 虫の鳴き声


隠しておくものはなく

隠しておけるものもない


ただ ありのままの こころのみ


苔むす石段を 踏みしめながら

神様の御座す お社へ歩む


目では見えぬ 神域の空気

森の樹木から生命の力を感じ

からだとこころが息を吹き返す

浄化され 正常へと戻っていく


神様 

あなた様がこの地に御座すことに

御礼申し上げます



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