第2話 空

見上げると 有刺鉄線越しに 美しい夏の青空

その鉄のトゲが 世界と自分を隔てていると

感傷的になっているわたしが 少し面白い


飛行する鉄の固まりを眺めて

なぜ 飛ぼうとしたのか

消費されているエネルギーと獲得する揚力

何を得て 何を失っているのか

いつのまにわたしたちは天秤を手放したのか

生身では制御できない力の代償を 対価を

わたしたちはいつ求められるのだろうか


わたしの感傷とともに 声にならない問いかけは

轟音とともに 青空の彼方へ消えていった

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