明日こそは七時に起きたい

上原

タイトルは本文を書き終わってから考えるとしよう

 考えたことをそのまま文に起こしたらこんな感じになるかな?って感じの文を書いていくよ。

まず、これを書き始めた時点で僕の目的は殆ど達成されたようなものだと言っても過言ではない。が、そんなことを言ってもこれを読んでいる君には何のことだかわからないだろうから、説明しよう。まあ少しの間付き合ってよ。これも若気のいたりって奴のせいなんだ。


 僕は常日頃から「何かをつくらなきゃいけない」っていうある意味で強迫観念のような思いをもっているんだ。なぜかはわからない。でも、それっぽい理由なら思いつくよ。

 殆どの人は、社会の中でただのパーツとして機能している。そのパーツがなければ今この瞬間の社会は成り立たなくなってしまうのだから、その役割だってとても大事なものであるのはわかるよ。まあどうせ頭でしかわかっていないんだろうけど。ああ、頭で理解するのと心で理解することの違いについては、また後で話すこともあるかもしれないから、未来の僕に解説は任せるこのにしよう。話が逸れたね。ちなみに僕の文章の特長は気になったところにいちいち解説や注釈を挟むことだから、相当回りくどい文になるだろうけど、そんなことはここまでの流れで分かってるよ、という方も多いだろうから、ごめんなさい、と先に謝るだけにとどめておくよ。おおっと、また話が逸れてしまった。まあわざとなんだけどね。


 話を戻そう。殆どの人間は社会の中でありきたりなパーツとして生きている、というところまでだ。さて、「殆ど」と書いたということは例外があるということなんだけど、じゃあその例外っていうのがどんな人種かが気になるところだね。僕は「殆ど」やそれに類する言葉を聞くとその少数の方にばかり気が向いてしまう、そんな人間だからね。自分の言葉に対してもその姿勢は変わらない。世間一般にはこういう性格の人を理系って呼ぶらしいね。話の途中で、結論より先に根拠に対する反論を全て潰そうとして、話がとても長くなる、みたいなとても面倒臭いことを平気でしでかすらしいよ。なるほど、今の僕のことだね。


 ああ、話がちっとも進まないや。それで、例外がどんな人種かっていうと、僕は「クリエイター」だと考えるんだよね。クリエイター。何かを作り、造り、創る人たちのことだ。僕が成りたいと思っている人たちでもある。じゃあなんでクリエイターかっていうと、替えがきかないからなんだ。

 殆どの人たちは特殊な技能がなくてもできる仕事、ある程度の能力を持った人なら誰でもできる仕事に従事しているだろう? つまり彼らは社会にとって替えのきくパーツなんだ。もちろん彼らの身近な人にとってはそうじゃないし、彼らは皆、何処の誰とも違う個性を持っていることはわかっている。もちろん頭だけでね。頭と心の理解度の違いについては置いておくとして。でも、それでも社会にとっては替えのきくパーツなんだ。なぜなら、できる仕事にあまり周囲と差がないからね。

 でもクリエイターたちは違う。彼らが生み出すものに一つとして同じものはない。クリエイターの数だけ、生み出されるものの個性が生まれる。そして作成されたものは、多くのパーツに影響を与える。この影響の与え方もその作成物以外にはできない、つまりそのクリエイター以外にはできないものなんだよ。なにかをつくるっていうのは、とにかくすごいことなんだ。詳しく書くと尋常じゃなく長くなるから割愛させてもらうよ。

 これこそが、社会にとって替えのきかないパーツである理由。社会的に認知されたクリエイターである、という条件はあるけれど。しかも、彼らも社会のパーツであることには変わりはない。まあこれは仕方がないね。義務教育なんて言う社会のパーツ製造形成工場のラインで生きてきたのだから、ってこの話は今は関係なかった。また逸れてしまったね。わざとやってるんだから当たり前か。

 要するにだ。僕は替えのきかない存在になりたいんだ。と思う。僕も義務教育によって社会の一員になってしまったからには、抜け出すことは困難を極める。なんたって僕自身が社会にとてつもないほど依存しているのだから。パーツってことは、何処かから動力を貰わないと動かないってことだからね。

 だから、パーツでもいいから、せめて替えのきかない、世界で唯一のパーツになりたいんだよ、僕はきっと。


 そんなこんなで、僕は何でもいいから何かつくらないといけないという強迫観念的な物に支配されていたんだけど。ここまでくればもう分かったかな。始めに「もう目的の殆どが達成されたようなものだ」と書いた理由。

 この文を書いてるから。この文章を書き始めた時点で僕はもう何かをつくったんだ。やったね。これで僕もクリエイターだ。社会的に認知されてないっていう注釈がつくけれど。


 ああ、思い出した。この文って「明日こそは七時に起きたい」っていうタイトルだったっけ。でも、いまパソコンの時計機能欄を確認するかぎりでは02:39って表示されてるから明日は無理かな。もう今日になってるし、僕はまだ自分が成長期だって信じているからね。休日の睡眠は12時間は取らないと。


 あんまりにも眠くならないからおもわず筆を取ってしまったよ。夜中だというのに頭が冴えすぎて、今なら何かつくり出せるかも、なんて思ってしまったんだ。その結果がこの文章だよ。笑っちゃうね。

 許しておくれよ。これも若気の至りってやつのせいなんだ。深夜テンションとも言うね。きっと一晩寝て目を覚ました僕はこれを読んで悶絶するだろうね。ああ、未来が怖い。色んな意味で。


 さて、色んな余計なことを考えていた頭も落ち着いてきた。人生に余計なものは一つもない、なぜならそれが人生そのものだから、とは僕の談だけど。そういうことじゃないんだ。とにかくぼくはそろそろ寝るよ。あと三分の一もない夏休みを、本来は受験勉強を頑張らなくてはいけない夏休みを、有意義に過ごすために。

 君は僕みたいにはなっちゃダメだよ。絶対碌なことにはならないし、なにより。


 僕と似たパーツがあったら、僕の価値に影響してしまうじゃないか。

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