第54話 禰宜の次は?

「新たな神託を授けるのじゃ」

「では、雄大の在宅禰宜は、認められたんですね!」

「発光レベルがアップしたのじゃ。そう考えても良いのじゃ」

「分かりました。では、お願いします」

「今度の神託は厳しいのじゃ」


 光龍様は、次なる神託を太一に授けた。


「巫女、禰宜の次は、崇敬者を集めるのじゃ」

「崇敬者、ですか?」

「そうなのじゃ。何でも良いから授与品を1万、崇敬者に授けるのじゃ」

「そんな! 何年かかることか!」


 授与品を1万も授けることが、どれだけ大変なことか。光龍大社の過去帳を覗いてみると、ここ数年の年間授与数は約2千。少し遡ると、明菜が巫女をしていたときが最も多いのだが、それでも5千。1万も授けるには数年はかかる計算だ。


「何年かかっても良いのじゃ」

「ははは。大らかで、何よりです」


 太一は日供祭を終え、足早に風呂場へと向かった。そこで7匹の金魚たちとヘトヘトになるまで戯れた。


 そして、光龍様による次なる神託、『何でも良いから授与品を1万、崇敬者に授けるのじゃ』がはじまった。

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