第3話 状況確認

 さて、色々確認しないとな。 


 牧場の土地を確認してみる。

 荒れたい放題だな。

 木や草、岩、生えたい放題である。

 農地は非常に広く、野球場二つ分くらいの大きさだ。

 

 自宅の隣に、小さな小屋がある。 

 あの小屋は小型モンスター小屋だ。

 小さめのモンスターを四匹買う事が出来る。


 これからこの荒れ放題の土地を整地したい。

 最初は、カブを育てられるくらいの土地を整地しよう。

 カブを育てて、最初に金をある程度稼がないと何もできない。

 

 ゲームと、どれだけ操作方法が同じか試してみよう。

 


「インベントリ」


 こういうとゲームでは、インベントリが開かれる。

 現実になってもそれは同じようで、画面が現れた。

 

 画面には右側に自分を現す絵が。

 カブの種を手に持っている。


 右側に、インベントリに入っているもの一覧がある。

 二十枠がある。 

 ジョウロ、クワ、オノ、ハンマー、カマと、二つの赤い木の実が七つ枠を埋めている。


 この実は……。

 俺は赤い実を指でタッチする。

 すると、アイテムの説明が表示される。


『リターンの実

 食べると、リターンの魔法を使用できるようになる』


 魔法の実だ。

 この世界では、この魔法の実を食べることで、魔法を習得することが出来る。

 この実を食べて習得できる魔法は『リターン』。

 リターンを使うと、家の前までワープすることが出来る。

 

 そしてもう一つの実は、


『テイムの実

 食べると、テイムの魔法を使用できるようになる』

 

 テイムの魔法の実。

 テイムは使うと、モンスターを仲間にすることが出来る。

 仲間にするには条件があり、モンスターの好感度を上げないといけない。

 好感度を上げた状態で、テイムを使用すると、モンスターを仲間に出来る。

 

 これらの魔法は、魔法の名を言えば使用可能だ。

 この二つ以外の実は、店で買ったりダンジョンで発見したりして手に入れることが出来る。

 現実となった今もそうかは、分からないけど。

 

 とりあえず食べてみよう。


 説明文の下に、出すというボタンがある。

 俺はそのボタンをタッチした。

 すると、ボンと音がして、宙にテイムの実が俺の目の前にフワフワと浮いた。

 これを十秒以内に取らないと、下に落ちる。

 なので早めにテイムを実を手に取り、食べた。


 味がある。


 ゲームでは食べても無味だが、現実なので味がする。みかんみたいだ。

 リターンの実も食べる。これはいちごみたいな味だった。

 どちらも普通においしかった。


 これで魔法を使えるようになったはずだ。

 テイムはここでは使えないので、リターンを使ってみよう。

 俺は家の前から十mほど動いて、「リターン」という。

 

 すると光が俺の体を包み込む。

 光りが消えた瞬間、家の真ん前に移動していた。

 魔法の使い方は、変わっていないみたいだな。


 よし、じゃあ、整地をするか。

 俺はインベントリを開き、最初にオノをタッチし、出して、手に取る。


 土地にある邪魔な、木の枝を切っていく。


 切った瞬間、何かが地面に落ちる。

 その何かは俺に向かって飛んできて、近くに来たら、ポッと音を立て、消えた。


 こんな所もゲームと一緒なのか、俺はインベントリを開く。


 さっきまでなかった物がある。

 それをタッチ。


『木材

 色々な物を作る時の素材になる』


 そう説明文が出てきた。

 木を切ったら木材がドロップアイテムとして、出てくる。

 このゲームではドロップアイテムは、近づいたらアイテムの方から勝手に近づいてきて、インベントリに入るのだ。

 

 現実になると明らかにおかしな描写だが、そのままなんだな。


 まあ、変わっていない方が、ゲームと同じ感覚でやれていいがな。

 

 そのあとも俺は、オノで木を伐り続ける。

 

 しかし疲れるなこれ。

 ゲームでは当然肉体的疲労など感じないが、現実になったらやはり感じる。

 転移する前の俺よりかは、体力も筋力もあるみたいだが、きついものはきついな。


 休み休みやっていく。

 

 木をある程度、伐ったら、次はカマを持ち、草を切って行く。

 草を斬ると、繊維や謎の種などのアイテムが出てくる。

 繊維は木と同じく何かを作る時の素材に、謎の種は、季節に応じた何らかの作物が生えてくる。

 埋めてみるまで何が出てくるか分からない。

 

 草も斬り終わり、次はハンマーを持ち、石を砕いていく。

 石を砕くと石材が手に入る。

 これも木材、繊維と同じく、何かを作るときに役に立つものだ。


 石を砕いたら、綺麗に土だけになった。

 あとは耕して種を埋めればいい。


 俺はクワを手にした。



 

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