7.目標への進路

2月の受験。一機と遥ちゃんの力強い意志と情熱は変わることなく、冬の凍えるような寒さの中でも、冷めることはなかった。


 3月の発表。二人は共に、第一志望の大学に合格することができた。そして、目標への第一歩を踏み出す。また、名門進学塾に通い続けていた順二は、やはり塾の実績通り、一流難関大学に合格したことがわかった。

「さすが順二。やっぱりすごいな」


 4月の入学。毎年、何気なく咲いている駅前通りの桜が、今年はやけに華やかに輝いて見えた。これから先の充実した大学生活への期待の表れかもしれない、一機はそう思った。


 時は過ぎ、4年後……卒業。充実した大学生活はあっという間に終わった。周りは皆、社会人となり、忙しい毎日を迎えていた。自分と遥ちゃんは、掲げてきた目標に向けて、大学生活を本当に有意義に過ごしてきた。遥ちゃんは、製薬会社に就職。薬品開発部の開発担当になることができた。自分は、大学の付属病院で働くことになり、臨床検査技士への見習い研修を受けていた。また、一流難関大学を卒業した順二は、日本を代表する有名企業に就職したみたいだった。

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