第2話

俺「えっ?」


おば「そっちの方が安く済むでしょ?」


この時、僕の中で疑いは確信へと変わっていった、、狙われてる。

ただ、密かに考えていたもうひとつの疑いが脳裏に浮かぶ。

それは、おばさんと出会う20分前くらいの事だった。


・・・・


コンビニに行ったついでに青森駅前を広範囲にわたって僕は深夜散策を

楽しんでいた。


店の多くは深夜なんでしまっており、まさにシャッター街と呼ぶに相応しい

光景だった。


僕はどんどんと外れまで歩きネオンの数も減り、地元の東京でいうと調布駅前のような雰囲気のところまで来た。


さすが未開の地、僕の期待を裏切りはしない、暗闇から、、いや暗闇というか積み重なった果物の空の段ボールの隙間に座っていたという方が正しい。

生活臭漂うお世辞にも小綺麗とはいえない年配の男女が突然現れ声をかけてきた、いかにも「頑張ってます!」という感じだった


おじ「遊んでかないの?」


遊ぶ?どういうことか?まわりには何も見当たらない。

息もつかぬ間におばさんも援護射撃を開始した。


おば「若い子いるよ」


なるほど、そういう遊びか、、察しがついた。


どうせ、ホテルに帰っても寝るだけだ、一日移動ばかりでろくに人とも

話してないし、おじおばとの会話を楽しむ事にした。


俺「若いって何歳くらい?」


おじ「31歳」


俺「若くないでしょ」


世の中の女性に言おうものなら、一大事になる核ミサイル級の言葉はおじおばを

撃退するのにはクリティカルなチョイスであった。


しかし、この一言がまずかった、おばさんの商売魂に火をつけてしまったのだ。


おば

「若いのはダメ、あんたあまり経験無いでしょ、少し歳がいったお姉さんの方が

テクニックあるんだからね!わかってない、損してる!遊んでいきなさい。」


大きなお世話であるが向こうも商売、必死である。しかし誠心誠意、真摯に商売に向き合う姿勢には脱帽の思いである。


こちらもおじおばに

きちんと向き合わなければ失礼である、おじおばのもつ商品クオリティと僕のニーズがマッチするのかしないのか、おじおばにはジャブではだめだ、、どういう試合を展開させれば良いか考えながら僕は口を開いた。


俺「でも31はなぁ~」


おじ「お兄ちゃん、何歳さ?」


34歳である、しまった、、31歳に物言いをつけただけに、若くないことがばれると一気にさっきいった言葉の説得力が無くなってしまう、、


俺「27です」


おば「ほう」


まるで獲物を確かめるかのように蛇の様に鋭い眼光で履いている靴から髪の先までを

確かめている。


女子高生であれば確実に「怖いお、ぴえん」の構図であるが、こちらも紳士の端くれ

品位を以ってせっしなくれはならない訳である。


俺「だから、まだ若い人と遊びたいんですよ。もしかして31歳の人しかいないの?」


話の核心をついた、おじおばは自分達の商品ラインナップの乏しさを悔やみ、反省するしか無いのだ。ニーズはマッチしなかったのだ。


おば「んー、今はいない。呼べばくるけど、、、」


どうやら、まだカードがあることをちらつかせるつもりだ、、

新たなカードを切ったことにより、おじおばの顔も先程よりやや、ニタニタと笑う視線は僕に向けられた。


それは明らかに、僕を「遊び」の巣に連れ込む為の包囲網を縮めたという確信をつかんだのだろう。


それもよし、暫くおじおばを泳がせて、その心理的優位から一気に劣勢に追い込むのも快し、その為にはもう少し話を進展させなければならない。


俺「いくら?」


おじ「いくらなら遊べるの?」


俺「い、いちまん位なら」


おじ

「よっしゃ!じゃあ、一万3千円でオッケ!本当は40分一万5千なんだけど、おまけ!」


??


ちょっとまて、僕は一万と言ったのだ、三千はどこからでてきたのか?


しかし、おじおばは売上を確信しただろう、そうだ価格提示してくるということは興味があるということだ、しかも、ちゃっかり本当は15000なのが13000にしちゃったんだよねアピールがいやらしい。


欲張ってはいけない、僕は一気に興醒めしてしまったのだ、もう終わらせよう、10月の青森の夜は寒いものである、帰って寝よう、、


俺「金額は良いけど、やっぱり年齢が、、」


おば「何歳くらいがいいのさ?」


そう、この言葉だ、この状況を一転させるための起爆剤、心理的優位に浸るおじおばの時間の終わりが来たのだ、宴会でいうところの終宴・御開きである


「んー、11歳から16歳くらいかな。。僕、ロリコンなんですよ。」


おば「えっ?」

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