第六話 やはり生徒は完璧だ

 次の日には、課題が提出される。私は朝の会に集められた課題に目を通した。

「土屋先生。課題の方はどうですか?」

 校長先生が私に聞いた。私は劉葉のプリントをピックアップして、読み上げた。

「名前が彫られるべき箇所が、空欄になっている…。私の期待通りの、完璧な解答です」

 私は校外学習で、戦わなかった。その結果劉葉は他のクラスに仲間を作ったようだ。それは校長先生に詰られても仕方がないが、生徒の完璧性は取り戻せた。戦争にはこういう戦い方もある。

「それは良いことです。では土屋先生には、生徒の攻撃を受ける前に下がってもらいましょうか。その方が安全で、折角取り戻した完璧性を失わずに済みます」

「了解しました。では後任の先生に、絶対性の方はお任せします」

 役目を終えた私は潔く引き下がった。

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