さようなら。あなたにきっとひかりあれ、
すくえないひとはきりすてる、
というよりは、すくえないひとをすくおうとするのがむしろ傲慢なんだなって思ったよ。
さっきもちょっと書いたけど、
ほんとひとにはそれぞれすくわれる場っていうのがありまして、
それはまさしくすくいあげることとも似ているからひらがなであえて書いたりするんだど、
それは、「ここ」ではないかもしれないんです。
それは、もっとべつのところにあって、
私からははるか遠くはなれたところ、
あるいは反対のところ、
あるいはあるいは、もっともっともっと私の知らない、
そして知りえない世界であるのかもしれないんです。
そんならね、すくえる、と思うことが人間の傲慢なのよ。
ねえ救世主気取りか、私は人間の分際でいて。
気取ることには気取れても、無理よ、だって人間だもん。
キリストにならうことはなにもすべてすべてに手を伸ばすことではない、あんた千手観音じゃないんですからさあ、
すくえるものはすくいましょう。けど、
そうでないもの、自分のつらいことは、
そっと手をはなすこともきっと救済につながること。
ねえゆめゆめ忘れるな私、
私自身も人間なんだよ。
そうやってそうやって、うん、もっとはっきり言えば、
神を気取ろうとすることはぜんっぜん義じゃないよ、
キリストにならうってそういうことじゃ、ないと、思う。
自分の限界性徹底的にシビアに自覚して、さ。
……自分の感情やら思想やら、
それに関係だって、あるだろう。
むりなものは、はなしなさい。
そして、おぼえていのりなさい。
おぼえているかぎりは、ずっとおぼえて、いのりなさい。
さようなら。あなたにきっとひかりあれ、と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます