4.偽装 より

【現地警察の装備】


○ティーグル:ロシア開発の軽装甲輸送車GAZ-2330。軍の他、SWAT(※)(ロシアではOMONと呼称)など警察特殊部隊の採用例や、装甲なしの一般販売もある。作中に登場したGAZ-2330 SPM-1型は8+2名乗り。重量約7.2t。

 ・エンジン:カミンズB-180 直列6気筒5.9リッター・ターボ・ディーゼル。最大出力325馬力(242kW)、最大トルク827N・m。


 ※SWAT(Special Weapons And Tactics):警察に設置されている特殊部隊。凶悪犯罪現場に突入して犯人制圧や人質救出などの任に当たる。厳密には所属する警察組織ごとに呼称が異なるが、〝SWAT〟の呼称が警察特殊部隊の代名詞として定着している感はある。



【ゲリラの装備】


○SVD:通称・ドラグノフ狙撃銃。AK-47をベースに、射程距離と命中精度の改善に重きを置いて開発された。はオートマティック装弾式。



【狙撃について】


○観測員の役割

 ・狙撃手は狙点に集中せざるを得ないため、周辺状況の情報に気を配る余裕がない場合が多い。

 ・なので可能な限り、狙撃兵は観測員と二人一組で行動するのが望ましい。

 ・二人のうち上手い方が狙撃を担当し、もう一人は観測員となって狙撃目標を観察し、指示し、結果を観測し、弾道補足などの情報を狙撃手に与える。

 ・本作で火器を持ち替えたのは観測員の方。これは咄嗟の判断材料が多いのと、狙撃手の集中を途切れさせたくない事情が重なっている。


○装弾方式

 ・狙撃銃の精度

 狙撃銃は目標を「長距離から」「一撃で」仕留める目的の銃なので、精度は可能な限り向上させたいという要求がある。

 一方で、「部品を組み合わせたり可動させたりするために〝ガタ〟は必須」という事情も存在する。〝ガタ〟は精度の落ちる要素であり、そして〝ガタ〟による精度低下は確実に累積する。

 よって部品点数も可動部分も、狙撃銃では限界まで削りたい背景がある。その中でオートマティック(自動)装弾機構は、ボルト・アクション(手動)装弾機構よりも確実に複雑で部品点数も増える(=精度を上げにくい)。

 その上でなお「射撃間隔を短くしたい」要求は確実に存在し、これがオートマティック装弾機構に対するニーズとなっている。

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