5日目 こんなの知らない⑥
「俺の好きな人、珠莉なんだ」
だが、それを聞いて点と点が繋がったようだった。珠莉に会いに毎日休憩時間に顔を出しに来ていたのが、友達ではなく想い人だったとするなら納得がいく。
「だから、協力しない?」
榎嶋くんが言葉を添えた。その言葉は勧誘を装ってはいたけれど、私に拒否権はないと告げていた。
「いいよ」
「じゃあ、お互い苗字呼びはやめない?」
理由を尋ねると
「苗字呼びってよそよそしくて嫌いなんだよね。まあ、“ハルカ”って名前も女っぽくて嫌いなんだけどね」
彼は笑ってそう言った。
少し考えた末に、“ルカ”と呼ぶことにした。
私は女子に敵視されたくなかったので、苗字からとって“ツバキ”と呼ばれることになった。てっきり“青さん”と呼ばれるかと思っていたので名前っぽくなって一安心。
それ以降は、作戦会議という名のノロケ合戦を二人で繰り広げた。いかに自分の好きな人が優れているのかを言い争った。今まで
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます