3日目前半 春隣①
夏祭り。夕食用にたこ焼きを買って、橋の影に座って一息ついていた。
ちょうど話が途切れ、さやかがペットボトルの蓋を開けようとした時だった。
『私・・・・・・が好き』
人混みのざわめきが大きくて、那智の声がよく聞き取れない。
『ごめん。なんて言った?』
そう聞き返すと、那智は一度うつむいて大きく息を吐いてから、唇を噛みしめて覚悟を決めたような顔をした。
『私、さやかのことが好き』
『・・・・・・え?あ、ああ。ありがとう』
那智の顔があまりにも真剣だったので、一瞬勘違いしそうになったが、友達としてだろう。動揺を悟られないように話しを切り替えようと息を吸った時、
『恋愛的な意味で、なんだけど・・・・・・?』
と那智が言葉を添えた。耳まで真っ赤に染まり、熱っぽい目でさやかを見つめている。それにつられてさやかの鼓動も速くなる。心音が伝わってしまいそうだった。
『わ、私・・・・・・』
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