若月舞白

【778プロ】


舞白「わ、若月舞白です……えっと…これから、よろしくお願いします…」


天「わぁ……色白い…綺麗……!」


恵「でっ、ですねっ!!やっぱり、アイドルの方々はみんな可愛いです…!!」


モカ「おぉ。舞白くんじゃないか、こんにちは」


舞白「あっ、実來さん…!こんにちは」


恵「あれ?お知り合いだったんですか??」


モカ「いや、私も彼女も新人アイドルだからな。新人同士、前に少し話をして面識はあったんだ」


天「あぁ、なるほどぉ…そうなんですね…」


モカ「男嫌いは克服出来たか?」


舞白「………んーん」


モカ「うぅむ……アイドル活動においてこれからファンと触れ合う機会も増えるかもしれんし、そもそもプロデューサーと共に行動することも増えるのだから、近いうちに克服しないとならんのだがなぁ…」


恵「えっ!舞白さん、男の人が苦手なんですか?」


舞白「う、うん…」


天「なにか…あったんですか……?」


舞白「………」


モカ「…まあ、まだ知り合ったばかりの人間にそんな深刻な事を話したくはないだろう」


天「あっ…そう、ですよね…!ごめんなさい……」


舞白「う、ううん…!いいの…。また、いつか話すから…その、今はごめんね…」


モカ「舞白は男嫌いを克服したいか?」


舞白「…できるなら、したい……」


恵「じゃっ、じゃあ!ああああ、あのっっ!!私にもっ、協力させて下さい!!」


舞白「え…?」


天「わっ、私も…!舞白さんが良ければ、お手伝いします…っ」


舞白「いいの…?」


恵「はいぃっ!これから一緒に活動していく、大切な仲間ですしっ!!」


舞白「あ……ありがとう…っ」


モカ「とはいってもなぁ、どうすれば良いんだろうな?」


天「あの…!私に案があるんですけど……」


モカ「ん、何だ?」


天「男の人のような雰囲気を纏っている778アイドルの方を呼んで練習してみるのは…どうでしょうか……?」



〜数分後〜


レイ「…舞白達のやりたいことは分かった。でもどうして私が呼ばれたんだ?」


蓮「レイだって男の子っぽいじゃないか」


レイ「私、そんなに男っぽいのか…?」


涼香「まあでも、レイちゃんにも可愛らしさはあると思うがな」


レイ「…涼香さんにちゃん呼びされるの、違和感しかないのでやめてくれませんか。わざとですよね」


涼香「ふふ、悪いね。…それで、舞白の男嫌いを克服するために私達を呼んだんだろう?」


モカ「あぁ、そうだよ」


涼香「だが…逆に私が相手だと余計に話し難くならないか?」


モカ「………確かにそうだな」


レイ「おい……」


涼香「はぁ…」


天「レイさん、蓮さん、涼香さんの順で練習したらどうですか…?その、話しやすそうな順で……」


恵「なるほどっ!ステップ式にやるってことですねっっ!頭いいです…!」


モカ「ふむ、天才か?それでいこう」


舞白「はぁ…大丈夫、かな……」


恵「大丈夫ですよっ!ゆっくり克服していきましょっ!!」


舞白「めぐちゃん…ありがとう……」



【相手:宗田レイ】


レイ「こんにちは」


舞白「……こ、こんにちは…」


レイ「……えっと、宗田レイです。」


舞白「……………そうなんだ……」


レイ「えっと……名前は?」


舞白「………わ、わかつき……ましろ…」


レイ「舞白ちゃんか、良い名前…だね………?」


舞白「………………ありがとう…」


レイ「うん………………」


……………。


モカ「プッ…」


レイ「お、おい!笑うな…!」


蓮「ぎこちなさ過ぎるだろう…」


レイ「仕方ないだろ…っ!こんなのやった事ないし…」


天「でも…ちょっとは話せてたんじゃないかなぁ……?」


涼香「あぁ…確かにそうだな」


モカ「次はもう少しぐいぐい詰め寄ってもいいかもな。じゃあ蓮、よろしく頼むぞー」



【相手:四方路蓮】


蓮「ぐいぐい、か…。…よし。舞白、こんにちは」


舞白「こ、こんにちは……」


蓮「舞白、肌が白くてツヤツヤで可愛いね」


レイ「おっと…?」


舞白「えっ…………あ…………」


蓮「戸惑っている舞白も綺麗だ」


舞白「ひっ…………」


涼香「ふざけるな、蓮」


蓮「痛っ!う〜、叩くなよ〜〜〜!!今のダメ〜!?!?」


涼香「ダメダメだ。あれじゃただの痛いホスト野郎だ。舞白を見ろ、今にも泣きそうだぞ」


蓮「えぇ〜〜…?ぐいぐいって言われたからさぁ〜……」


モカ「何故ぐいぐいと言ってああなるんだ」


蓮「ごめんってぇ…」


天「舞白ちゃん、大丈夫…?よしよし…」


舞白「あ…ありがとう……」


モカ「蓮を当てにしたら駄目だな。じゃあ最後、涼香さん。この馬鹿に見せてやってくれ」



【相手:志幡涼香】


涼香「こんにちは、舞白」


舞白「………………………こんにちは……」


涼香(今の蓮でよほどショックを受けたのか、最初よりかなり警戒しているな…。)


涼香「舞白は何か好きなものとかあるのか?」


舞白「え……好きなもの…………?うーん………。…………………ない」


涼香「趣味は?」


舞白「趣味…………………………、……ない」


涼香「そうか。これから見つけられたらいいな」


舞白「………………………うん」


涼香「そういえば舞白は18歳だったな」


舞白「………………うん」


涼香「若いな…。私より10も離れているのか」


舞白「そうなの……?」


涼香「あぁ。28だからな。ここでは最年長になる」


舞白「へぇ……」


涼香「好きなことができるのも若いうちだ。今を存分に楽しんでくれ。……こんなクサいセリフを吐くなんて、私も歳だな」


舞白「りょうかさんは…………なにが好きなんですか……?」


涼香「…そうだな、私は化学が好きだ。だから化学教師をしていたんだが、アイドルになったから辞めてしまった」


舞白「なんで………好きなのにやめちゃったの…………」


涼香「あいつがアイドルになれとしつこくてな。………いや、違う………。私は…あいつを、信じてみたかったんだろう」


舞白「だろう…?」


涼香「あぁ、化学教師として生徒と接するのは楽しかったよ。興味深い日々だった。だがな、何度も"興味が無い"と誘いを断る私に対し、プロデューサーは"必ず夢中にさせてみせる"と私に言ったんだ。」


舞白「…………」


涼香「私は……そんなあいつを、信じてしまったんだよ」


舞白「……そうなんだ…」


涼香「後悔はしていない。アイドルというのも、悪くはないからな」


舞白「………うん」


涼香「……私の話ばかりで悪いね。よかったら舞白の話も聞かせてほしい」



〜数分後〜


天「すごい…!何分も会話してる……!」


モカ「流石涼香だなー。数々の生徒を魅了してきただけあるなー」


レイ「えっ、そうなの…?」


涼香「はぁ。そういう悪意のある言い方はやめてくれないか」


モカ「これで舞白くんの男嫌いも少しは克服出来たんじゃないか?」


舞白「ん………わからない………」


モカ「さて、それじゃあ早速プロデューサーのところへ行ってみようか」


舞白「えっ…!?今から…?」


モカ「そうだが。何か問題でもあるか?」


舞白「ご、ごめん……」


天「大人の圧……」



【プロデューサー室 前】


舞白「…………ほんとに、やるの…」


恵「頑張れ………舞白ちゃん…!!!」


舞白「や、やだ…いきたくない」


モカ「いいのか?いつまでたっても克服できないぞ?」


舞白「あ……う……」


モカ「…まあ、無理はしなくていいんだがな」


舞白「……わかった……いく」


舞白「ふう……はぁ………」


天「がんばれ…っ!」


舞白「…………よし…。………わぁっ!?」


P「おっと。……舞白?どうしたの?」


舞白「あ、あう………う、うぅ……」


P「…?」


舞白「………ご、ごめんなさい……」


P「大丈夫。舞白も大丈夫?」


舞白「………だ、大丈夫…………。……さ」


P「さ?」


舞白「…………さ、さよなら…っ!」


P「え!?」


モカ恵天「えっ!?!?」



〜舞白は逃げ出してしまった〜


モカ「やぁプロデューサーくん、すまんね。それじゃあ」


恵「ししし、失礼しますっ!」


天「ばっ、ばいばいです…!」


P「……?」



【フロント】


モカ「舞白ー、どこに隠れているんだー?」


恵「う〜…どこにもいませんね……」


天「舞白ちゃんの男嫌いを克服するには……まだまだかかりそうですね…」

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