第60話 指輪事件

ある居酒屋での話です。会社の人達と数人で飲んでいました。日曜日だったこともあり、店はそこまで人は入っていない状態でした。ですが、私たちのテーブルの横には二人組の女性が飲んでいました。そろそろ酔いもまわってきて気持ちよくなってきたころに、二人組の女性の一人が、私たちのテーブルに話をかけてきました。

「指輪を落としてしまったので、探してもいいですか?」

もちろんOKをして、テーブルの下を探しますが、見つかりません。

「彼氏にもらった大事な指輪なんです」

と言っていますが、何度探しても見つかりません。私たちのも協力して探しますが見つかりません。私たちのテーブルには女性がいましたので、女子トイレを探してもらいました、すると、指輪がありましたが、二人組の女性に確認してもらうと「それは違う」とのこと。

「えっ」でも、指輪自体を見ていないのでどれが、なくしたものかは不明です。その後も探し続けますが、見つからない。見つからないので、諦め飲んでいると、そこになぜか店員?別の客?らしき人が現れます。

「このおじさんたちにもっと探してもらいなよ」とか同情させられるような言葉を言ってきます。もうそのころには探していません。しばらくすると、二人組の女性はいなくなっていました。

あとで、みんなで話していたのだが、あれは「指輪なくした詐欺」。あのような演技をして指輪代をもらったり、居酒屋代をもらったりする詐欺だと。失敗した点とすれば、あとで登場した人が、私たちのことをおじさん呼ばわりしたこと、それと私たちのテーブルに女性がいたこと。申し訳ないが男性に見えてしまったこと。これを気に女性磨きをよろしくお願いします。

トイレの指輪は、その後無くなっていたとか。

こわい怖い。

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