第73話 どう考えてもそのエルフは〇〇人 1

 ゼノ達はシュトロハーゲンが戦後処理でドタバタしているからと、邪魔にならない様に日中は外で過ごす事にした。


 折角空飛ぶ車であるサンカイオーがあるのだから、他国にも行ってみなければ勿体もったいない。

 なのでシュトロハーゲンに居るうちに、生活魔法の亜空間内部を快適にしておきたかった。


 最低限ジュディスの家具は必要だが。

 代金はシュトロハーゲン持ちだと約束しているので、これを機に全員分の家具を一新しようと考えていた。

 相変わらず、セコくてちっちゃい男である。




「今後増えるかもしれない仲間の事を考えて、今ある家具はそのまま残しておこうと思う。ただ俺達4人はチームの古参的な存在になるから、シュトロハーゲンに貢献した分もあるから新しい家具は豪勢にしていこう」


「いいな!」

「わー、パチパチー」

「えっと。あの、その……はい」


 元気に快諾するサリア。

 手でも拍手をしているジュディス。

 何故か視線を合わせようとしないミラ。

 3人の了解を得たのでジュディスに案内され、シュトロハーゲンにあるお値段異常なカトリへと向かう。


 参考にならない安い値段の家具や寝具を見て冷やかして。

 次はシュトロハーゲンのみしか店が存在しない、エルフの職人が作った高級家具専門店へ行く。


「はーい。ここがエルフより生まれた勇者の名付けた家具専門店、家具屋・姫ですー」


 ジュディスに案内されて入った家具屋・姫、入って3人がどう思ったのか。


 うっへー、高そー。

 何これピッカピカじゃん!

 ほう……城もそうだったが、高級感はあっても明るさや開放感で息苦しさを感じないな。

 なんなら亜空間の間取りや配置の相談も受けてもらえるか?

 家具を姫で揃えるのってエルフの憧れですからねー。

 どんな家具で、どんなお部屋にしましょうかねー。

 ゼノさん、キングサイズのベッドを買ったら添い寝しに来てくれるかな?

 あっ、それよりも真面目に選ばないと。




 ゼノが家具屋のスタッフ、全員20代にしか見えないので男性スタッフに声をかけた。

 可能ならベテランスタッフが良かったのだが、エルフなので見た目が若くても、全員自分より年上かもしれないと思い直したからだ。


「すいません、少し買い物の選択について相談したいのですが」

「ええ、喜んでお受け致します」

「実は私の持つ亜空間の内部の、居住スペースを一新しようと思っていまして……」




「なるほど。それでしたら先に、建築業社で相談してみたら如何でしょうか?それだけのスペースがお有りでしたなら、豪邸すら建つのではないですか?」

「おおーっ!!」


 ゼノがスタッフに亜空間の畑の空き地まで説明したら、彼は家具よりも先に家からとアドバイスを返してくれた。


「いや、相談に乗っていただきありがとうございます。家が建った暁には、必ずこちらで買わせていただきますので」

「はい、ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」


「3人共、家具の購入は後回しだ。先に大工の所に行って亜空間に家を建てる相談をしよう!」

「おぉー、家か!いいな!」

「完全な個室ですか、いいですね」

「仲間に入ったばかりの私が、個室を頂いてもいいのでしょうかー?」




 家具屋スタッフのオススメで向かった建築業社にはデカデカと看板が掲げられていた。



 大工・運命、と。





(^O^)/あとがき

 地下ケーブルの業社を出すか出さないか。

出すなら名前をヤザンで出そうか、半日悩んで止めました。


 61話で7万PV突破しました、ありがとうございます。

 今後とも生活魔法をよろしくお願いします。

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